【学習センター機関誌から】卒業生謝辞(1)

岐阜学習センター 卒業生代表
今尾ひな子

※2022年度第1学期の学位記授与式において二名の方が謝辞を述べました。お二方の了解を得て、以下にその全文を掲載します。


虫の音が心地よさを奏でる季節です。本日は私たち卒業生のために厳粛なる式典を挙行していただきありがとうございます。岐阜学習センター所長・野々村修一様はじめ諸先生、事務職員の皆様には常にご指導と励ましをいただき心から感謝申し上げます。またご来賓の皆さまにはお忙しい中、ご臨席賜り激励の言葉を頂きましたこと厚く御礼申し上げます。
さらには、僭越でございますが卒業生の皆さま、おめでとうございます。それぞれの思いを乗り越えて輝かしい成績を修められ本日をお迎えになったことと存じます。同窓のご縁と皆さまのご努力を胸に謝辞を述べさせていただきます。

さて、私ごとでございますが、高校卒業の年、母に癌が見つかりました。父の肩にかかる負担が大きくなり四年制大学を諦めて短期大学に進みました。あれから半世紀以上です。今、大学の卒業証書をいただけることは夢のようです。
放送大学の存在を知ったのは30年ほど前になります。当時はネットで受講できる環境がなく、在籍はしたものの子育てと仕事と家庭に追われて勉学は無理となり途中でなし崩しになってしまいました。
歳月をへてネットでの受講が可能なことを知り、再入学を致しました。卒業を意識せず生涯学習として興味のある科目を少しずつ受講していました。

ところが昨年、ふと思いました。長引くコロナ禍、いつ誰が罹患し重篤な状態になっても不思議ではない現実、高齢者は尚のことです。少々大袈裟ですが「命あるうちに卒業を果たそう」と突然、脳裏に浮かんだのです。

残り8科目を前期と今期で選択。目標ができたことで閉塞的な日々の中に張り合いが生まれました。卒業が目前に見えた今期は特に頑張りました。実は根を詰めすぎて試験を終えた後、頭痛が始まり脳神経外科を受診した程です。結果は単なる超肩コリ、笑話のオマケが付きました。

どんな時も「学び」は目標を与え、支えになり、喜びと開放感を教えてくれます。団塊世代の私は常に大勢の中で揉まれてきました。しかし今は競争も束縛も考えず、学び本来の楽しさや面白さに引き込まれています。今後も体力と気力が続く限り放送大学に在籍したいと願っております。
最後にご来賓はじめ、岐阜学習センターの皆様、ならびに卒業生の皆様のご健勝とご発展を心からお祈りし卒業生代表の謝辞とさせていただきます。


岐阜学習センター機関誌「ふれあい」194号(2023年4月発行)より

公開日 2023-05-23  最終更新日 2023-05-23

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