主任講師:
野崎 歓
(放送大学教授)
斎藤 真理子
(翻訳家)
本科目 第11回、第12回担当講師
<推薦者のコメント>高野 麻美 さん(全科履修生)
私のおすすめ科目は、「世界文学への招待(’22)」です。
この科目を受講して韓国文学、特にSF小説を読むようになりました。韓国文学、SF小説は難しいという先入観から敬遠していましたが、第11回の講義を受けて考えが変わりました。
実際に韓国のSF小説を読んで感じたことは、読者を啓蒙する、あるいは正しい道へ導くのではなく、寄り添い、一緒に考えていこうという作者の思いです。
ヨーロッパからラテンアメリカ、クレオールまで広範囲の文学を扱っています。
また、読み解く視点も「共感できない主人公」や「文学における引用」など面白いものばかりで、読書の幅を広げ、未知の世界への地図になる科目だと思います。
<野崎先生からのコメント>
“おすすめ科目”へのご推薦、ありがとうございます!
この科目を作成したときに目指したのは、世界文学の「最前線」では何が起こっているのかを論じること、それを「明快」な言葉で語ること、の2点でした。
文学はそもそも、だれにでも開かれたものです。大学の授業だからといって、むやみに敷居の高いものにする必要は毛頭ないはずです。
そうした思いを共有する先生方の力を結集できたのは、幸せなことでした。
コロナ禍のただなかでの収録でしたので、世界中にロケに出かけるというわけにはいきませんでした。しかし、さまざまな映像資料等も用いて、バラエティに富む内容になっているはずです。
何よりも、上記の2点に関しては、十分に目標を達成できたのではないかと思っています。
「いろいろな国の文学をひもといてみるのは、なかなか刺激的で、なんだか知らない場所を旅することに似ている。」そんなふうに実感していただければと願っています。
野崎 歓 先生
(放送大学教授)
本科目の主任講師
<斎藤先生からのコメント>
おすすめ科目に推薦してくださり、ありがとうございます。
新型コロナウイルスの感染拡大やウクライナでの戦争と、誰もが不安と無縁でいられない時代です。
世界はこれからいったいどうなっていくのか。
世界文学はそうした不安への答えを直ちにもたらしはしませんが、不安に耐えうる想像力を底上げし、視野を広げることができるでしょう。
物語の読み方は常に自由ですが、書き手、語り手が何に挑戦してきたのかを知ることで
せっかくの物語を「自分サイズ」に縮めてしまうことなく、生き生きとした受容が可能になります。
この科目では、そのような多様な文学の挑戦の過程が紹介されています。
ちなみに最近の韓国のSF小説は、遠い未来や時空の彼方のことを描きながらも手を伸ばしてつかみとりたい身近な理想について語りかけてきます。
それが「寄り添い、一緒に考えていこうという作者の思い」でもあるのでしょうね。
受講をきっかけにいろいろな作品に触れてみてください。
斎藤 真理子 先生
(翻訳家)
本科目 第11回、第12回
担当講師
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公開日 2023-07-25 最終更新日 2023-07-25