【学習センター機関誌から】イギリスとガーデニング

佐賀学習センター客員准教授  専門:英文学
山崎美穂子

ここ暫くガーデニングが、多くの国々で人気のアクティビティとなっているようです。コロナ禍で人の動きが制限される中、自宅の庭で緑に触れることで心身の健康が保たれるだけではなく、その様子を social media 上にアップし、共有することで、他者とのつながりを保てることも、その要因の一つだと考えられています。


イギリスでは世代を問わずガーデニングが盛んで、庭のないフラット(いわゆるアパート)に住んでいても、ベランダで植物を育て小さな自然庭園を楽しむといわれています。また、90年ほど前から、個人の庭を有料で公開して、その収益を慈善団体に寄付するという取り組みがあり、プロの園芸家による展示や講演がなされるフラワ ー・ショーも盛んに行われています。中でも、ロンドンで毎年5月に開催されるチェルシー・フラワー・ショー(以下CFS)には、世界中から著名な園芸家が集まります。近年、日本人が受賞したことでこちらでもニュースになりました。 残念ながら、コロナの影響で昨年はオンラインでの開催となり、今年は9月に延期されています。


自然豊かなイギリスの庭園を直接見るにはまだまだ時間がかかりそうですが、映画『フラワーショー!』では、CFSの様子を垣間見ることができます。アイルランド出身で初の受賞者となったメアリー・レイノルズの実話をもとに、その革新的なガーデンデザインやエチオピアの緑化活動との関わりも 描かれています。

また、荒れ放題の庭が再生される『マイ ビューティフルガーデン』では、美しい公園や風景が随所に見られ、やや現実離れした設定ながら、ヒロインと周囲の人々との交流に心和みます。遠出もままならないこのご時世ですが、美しい庭園の映像を眺めながら、英語の旅にしばし浸ってみるのはいかがでしょうか。


佐賀学習センター機関誌「バルーン」(96号)7月号より

公開日 2021-09-17  最終更新日 2022-11-08

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