『日本の家族問題を考える(’26)』 (放送授業・ラジオ科目)

担当講師:下夷 美幸
(放送大学教授)

<推薦者のコメント>川田 眞理子さん(選科履修生)

日本の家族問題を考える

第8章「障害者を育てる母親の就労」に興味を惹かれて受講しました。

この教科では教科書の緻密な作りも素晴らしく、ラジオ講義で2025年収録の何人ものインタビューを聴くことができます。最前線で力を尽くしている方々、現に職場で奮闘する母親など、最新の情報が生の声で伝わってきます。教科書のまえがきに、「当事者でも関係者でもない、家族問題とは無縁と思われる人にとっても問題の実情を知り、思考を巡らせることには大きな意味がある」と書かれていますが、丁寧に取材したインタビューからこの意味を知ることができます。

私には障害のある子がいて一人で育ててきました。10年以上前に定年退職しその後再雇用を経て48年就労できたのは周囲の多くの援けがあったからですが、こと、障害児を育てる母親の就労に関して言えば、労働環境は徐々に整ってきてはいますが、まだまだいくつもの壁があり、実際にはその厳しさは10年以上前とあまり変わらないように感じました。そしてそんな自分でありながら、この教科を学んで初めて自分の考え方の中にも「家族なんだから」「母親なんだから」という固定観念があったことに気が付きました。

最終章には「家族問題の多くが、日本社会に根強く残る旧来の規範によってもたらされている」と書かれています。自分の考えの中に「旧来の規範」があり、それに気づくことで変えて行ける未来があると思います。

多くの学生の皆さんに履修していただきたい教科です。

<下夷先生からのコメント>

コメントをお寄せくださり、どうもありがとうございます。とても嬉しく拝見しました。授業の意図をしっかりと受け止め、教科書を丁寧に読み、ラジオ講義にも耳を澄ましてお聴きくださっている様子が伝わってきて、その学問的誠実さに心を打たれました。とりわけ、川田さんが講義でのインタビューを通して、ご自身の視野を広げ、考えを深めておられることは、私にとって何ものにも代えがたい喜びです。

この授業では、全15回の講義のうち、序論にあたる初回を除き、家族問題の各テーマを取り上げた第2回から第14回まで、毎回、ゲストをお招きしてたっぷりお話を伺う構成にしました。ゲストの皆さんは、「このテーマなら、ぜひこの方に!」と私が切に願った方々です。実は、これまで面識がなかった方も多く、ご連絡を差し上げる際には少なからず緊張しました。それでも、「どうしてもそのお話を学生さんに届けたい」という一心で出演を打診しましたところ、どの方も「社会人学生の方々のお役に立つのであれば」と快くお引き受けくださいました。そして、私の願いどおり、ゲストの皆さんはいずれも、他ではなかなか伺うことのできない、素晴らしいお話をしてくださいました。インタビューをした私自身、そのお話から多くのことを学びました。

最終回の第15回はまとめの回として、私の大学院ゼミの卒業生お二人と各回のテーマについて語り合いましたが、年齢も立場も異なるお二人のコメントから、新たな見方を教えてもらい、私にとって問題を捉えなおす機会となりました。と同時に、講義をお聴きになる受講生の皆さんそれぞれの立場や経験によって、ゲストのお話がさらに深められ、より意義深いものになるのだ、ということを確信する機会にもなりました。

長くなってしまいましたが、ちょうどこのようなことを考えていたところでしたので、川田さんがラジオ講義を通して新たな気づきを得られたと伺い、「ゲストの方々のお話をお届けすることができて、本当に良かった」と、しみじみ感じた次第です。

改めて、学ぶことの意義に思いをはせました。私自身も学びつつ、少しでも学生さん方の力になれるようさらに努めてまいりたいと、気持ちを新たにしております。

温かいメッセージを届けてくださり、本当にありがとうございました。どうぞこれからも、ご自身のペースで、良い学びを続けていってください。



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公開日 2026-10-29  最終更新日 2026-10-29

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