【新任所長挨拶】 所長就任にあたって(福岡学習センター所長・久枝良雄)

福岡学習センター所長 久枝良雄

福岡学習センター所長_久枝良雄

本年4月より福岡学習センター・北九州サテライトの所長に就任致しました久枝良雄です。どうぞよろしくお願い致します。

前任の安河内朗先生は2020年4月に就任されて以来、3年間のコロナ禍の中、色々な工夫をされながらセンターおよびサテライトを運営されました。この場を借りて御礼申し上げます。
安河内先生の流れを踏襲しつつ、コロナ禍でのデジタル化の波を活用して新しいチャレンジをしたいと思っています。皆様からも効果的に楽しく学習するアイデアがあればご提案下さい。

さて、私は九州大学工学研究院応用化学部門にて長年研究を行っていました。昨年3月に教授職を定年退職しましたが、引き続き九州大学で理事・副学長として教育・研究の管理運営業務を行っておりました。

私の専門は生物無機化学(錯体化学)です。
「錯体」というと耳慣れぬ言葉と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、金属イオンが中心となり、周囲に配位子と呼ばれる分子やイオンが配位結合を形成している化合物のことです。私達の身の回りにはこのような金属錯体が存在し、生命活動を維持するために作用したり、触媒として活用されたりしています。
例えば、光合成を司る葉緑素クロロフィルの中心にはマグネシウム錯体が含まれますし、我々の体内で酸素を運搬する赤血球には鉄錯体が含まれます。生体の維持に不可欠なビタミンB12はコバルト錯体であり、また抗癌作用を示す白金錯体などは薬として利用されており、身の回りには多数の金属錯体が存在します。金属イオンは毒だと思っている人がいるかと思いますが、これらの金属イオンがないと我々生物は生きていけません。
私はこれらの生体関連金属錯体から学びつつ、さらに自然を超えた新しい触媒(バイオインスパイアード触媒)の開発やその利用について研究してきました。将来性に満ちた大変面白い分野ですので、皆さんにこの分野のお話する機会があればと思っています。

新入生の皆さん、また在学生の皆さん、失敗を恐れずまずは様々なことにチャレンジしてみてください。コロナ禍でデジタル化が進行し、放送大学でも面接授業の代わりにオンライン面接授業が実施されるようになりました。当センターでは皆さんが円滑に学習できるようにパソコンの操作方法のサポートも行なっています。皆さんの更なるチャレンジを応援し、質の高い教育を享受していただけるように努力したいと思っています。


福岡学習センター 機関誌「おっしょい」第61号(2023年4月発行)より

公開日 2023-05-23  最終更新日 2023-05-23

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