生きる力について 稲嶋 太弘(いなしま たいこう)/ 山形学習センター

私は学生時代、勉強は嫌いだったし、得意ではなかった。それでも高校受験という大きな壁が私に迫ってきたとき、その不安感からちゃんと勉強しなければと思って頑張ってみた。しかし、それはとても苦しかったし、受験を突破するための自信もあまりつかなかった。

結局私は自信の無さと不安から楽な道を選択したと思う。私はスポーツ推薦で高校に進学した。だから、高校を卒業して働かなければならなくなったとき、社会人として必要な教養と知識はとても弱く、生きていくことにはとても不安であった。

私にとって転機となったのが聖書との出会いで、その学びを助けてくれた牧師先生との交わり、対話問答だった。このとき私は学ぶことがとても楽しいものだと知り、もっと学びたくなった。
モーセやダニエル、そしてイエスがその時代において教養と知識とに優れていたこと、そのために神に用いられて活躍したということを知って私は彼らに憧れた。

牧師先生は私に放送大学を紹介してくれた。最初は一科目から学び始めたが、とても楽しく、大学卒業資格を求めるようになった。概念理解を深めるために放送大学の先生方とも対話問答をした。丁寧に誠実に向き合って下さる先生方のおかげで自信がついていった。
そしてその先の大学院進学や海外留学、あるいは今関心を持つ脳について医学部で学ぶという道も学び続けるならば夢ではないと思えるようになり、希望を持てた。

まもなく三十代に私はなろうとしている。夢は大きくなり、たくさん与えられているが、堅実に働く必要も感じている。
医学部受験のために学びを続けるか社会人としてしっかりと働くのかで今は葛藤を抱えているが、いずれの道も教養と知識なくしては進み続けることはできない。放送大学はそれらを与えて育み、私の生きる力を養ってくれた。

夢を持ち、同時に葛藤もして悩みもあるけれど、それらを心に抱えて歩めるようになったのは、すなわち、より強くなれたのは放送大学で学んだからだ。


プロフィール  

1994年 東京都生まれ。
2013年 バプテスマ受洗。
2016年 仙台バプテスト神学校C-BTE JAPAN 入学
2018年 放送大学 心理と教育コース 入学

※2023年10月23日 本誌掲載の記事です。


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公開日 2023-12-22  最終更新日 2023-12-22

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