

担当講師:菊池 聡
(信州大学教授・放送大学客員教授)
<推薦者のコメント>滝澤 丈一さん(選科履修生)
印刷教材はかなり高度。心理学や哲学そして社会学、横文字の専門用語や人名がビシバシ出てきます。さらには、苦手だった数学の「確率」や「統計」まで・・。不安に駆られながら、実際に講義を視聴すると、これが分かりやすい。菊池先生をはじめとする先生方ももちろんですが、常に学生目線に立って丁寧に質問してくれるアシスタントの黒澤さん。「分からないことは、分からない」と堂々と先生方と渡り合う潔さに随分助けられました。そして、立川吉笑さんの「錯覚シアター」も良かったです。
講義の内容としては、騙されてしまう様々な状況を決して否定せず、これも複雑な社会を生き抜くためには、むしろ、必要なこと(認知力)だと肯定するところが新鮮でした。そして、そっと、肘を押すように行動を仕向けて行く「ナッジ」にも大いに興味を持ちました。この「ナッジ」こそ、現在の学校現場で最も必要なのではないかと、引退した元教員は痛感しました。
<菊池先生からのコメント>
おすすめ科目へのご推薦をありがとうございます。
クリティカル・シンキングは、現代の社会にとって非常に重要な学際的で実践的な思考の技法です。学際的であるがゆえに、心理学や社会学、そして統計学を含めた非常に広い領域の学問の成果を知っていただく必要がありますので、学習面でも苦労が多いかもしれません。これらを前向きにとらえていただけて、たいへんありがたく思います。
本科目はクリティカルな考え方が楽しみながら身につけていただけるように、制作スタッフの方々がさまざまな工夫をこらしていただきました。ここで学問の世界に親しんでいただけたことが、今後の多くの学びにつながっていくことを願っております。
<推薦者のコメント>中橋 徹さん(全科履修生)
より良い思考の技法 -クリティカル・シンキングへの招待-(放送授業科目)
私は小学生の頃から親から「理屈っぽい!」とよく言われてきました。何かで母に叱られても必ず反論する内容を見つけ、単純に謝ることはしない子どもでした。勿論悪いことをした時には謝りますが(笑)。そのため何度も「理屈っぽい!」と言われたわけです。「より良い思考の技法」は私のような「理屈っぽい!」人には大変うってつけの内容です。科目内容も確かに[理屈っぽい]=[論理的]ですが、そうでない方々にも非常に役に立つ内容です。例えば詐欺にかかりにくくなるとか粗悪品をつかまされにくくなるとか。
私の1例をあげます。皆さんある一流メーカーの初期の掃除機のコマーシャルをご存じですか?「吸引力が永久に変わらない」といったものでした。多くの世の方々はこれに飛びつき一時、このメーカーのブームが起きましたね。でも私は「このCM、吸引力が強いとは言ってないよね。吸引力が最初から弱かったら永久に弱いってことだよね。」と即座に思いました。
この科目ではこのような批判的な思考力を養ってくれる非常に生活に役立ち大変楽しい科目です。皆さんもぜひこの科目の面白さのとりこになってください。
<菊池先生からのコメント>
おすすめ科目へのご推薦をありがとうございます。
大学ではさまざまな専門の学問を探求して行きますが、この科目はそうした多様な知的な営みに共通する「考える」ための技法(クリティカル・シンキング)を体系的に身につけることを意図しました。この汎用的な思考の技法によって、情報を受動的に鵜呑みにせず、偏見を持たずに、注意深く懐疑的に吟味・評価する力を発揮できるようになります。これは、もちろん学問に限らず、私たちの日常生活での重要な判断や意思決定についてとても役に立つ思考法です。コメントいただいた人を惑わせる広告はもちろんのこと、ネット情報との適切な付き合い方や効果的な防災減災など、さまざまな場面で活かしてください。
この科目では、クリティカルシンキングを身近に感じていただくために、映像制作スタッフの皆さんが、さまざまな工夫をこらした番組に作り込んでいただきました。楽しみながら、いつの間にか考える力を身につけていただけるものと思います。
この科目を足がかかりに、さらに広く深い学問の世界に分け入ってください。
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公開日 2025-05-30 最終更新日 2025-05-30