【学習センター機関誌から】同級生は社会人一年生、僕は大学一年生

心理と教育コース〈全科履修生〉

溜口 功啓

 

「大学卒業」ですか、感慨深いですね。

放送大学入学時の僕の学力は実質小学校卒業レベルでした。中学校は三か月くらいで不登校になり、願書とお金だけ出せば入れるような高校に入りました。バイトして遊んで授業中は貴重な睡眠時間でした。それでも卒業できちゃう制度の方にも問題があるとは思いますが、まあ10年も前の事ですから。

高校卒業後は音楽の専門学校に入りましたが、病気になり、あえなく数か月で中退。病気が良くなった頃、学校や病院のカウンセラーになりたいなと思いました。こんなことを言ったらいろんな所から怒られそうですが、当時僕が見てきた大人たちの中で最も楽そうな仕事をしているなと思ったからです。それで、一番安く臨床心理士の資格が取れる大学はどこだと探していると「放送大学」と本に書いてありました。それが入学を決めた理由です。

なんとも不純な入学動機ですね。でも、実際に勉強を始めてみると、なんて面白いんだろう!バカみたいに勉強しました。一日何時間とかではなくて、朝起きた瞬間から目がぐるぐる回って気持ち悪くて文字が読めなくなるまで、睡眠時間と仕事の時間以外全部、いや、仕事をさぼってまで勉強しました。               

大学も終わってないのに大学院に修士選科生で入って心理学を学んだり、心理学以外にも哲学や社会学も学びました。               

本当は4年で卒業単位を満たしていたのですが、卒業研究の申請が前年の6月締め切りだと知らなくて、事務員さんに「なんとか卒業を伸ばす方法はないか」と聞いて、あえて外国語の単位を1つ落とすというアドバイスをいただき、無事卒業研究をやることができました。               

面接授業で⿅児島、⾹川、⻑野、富⼭、⼭梨、新潟などに行きました。そこで素敵な先生や学友と出会いました。特に⻑野学習センターで心理学実験の面接授業を開いている金高茂昭先生は素晴らしい方で、毎期「共修生」という形で授業を受けています。               

僕みたいな人間が皆さんにアドバイスをするというのはおこがましいですが、この記事が卒業生からのアドバイスとのことなので、「何事にも真摯に取り組んでください、結果は後からついてきます」と「ご縁を大切にしてください」の二つが僕からのアドバイス兼メッセージです。              

最後になりますが、もう再入学の手続きは済んでいるし、僕はしばらく放送大学を続けます。卒業を機に会社を立ち上げて忙しいですが、落ち着いたら大学院にも行こうと思っています。見かけた際は気軽に声をかけてください。ここまで読んでくれてありがとうございました。              

              


栃木学習センター機関誌「とちの実」121号より

 

公開日 2021-11-19  最終更新日 2022-11-11

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