
私は公衆衛生医師として、地域の保健・医療・福祉に関わる仕事をしています。高齢化と人口減少が進む中で、地域の現場に求められる役割や支援のあり方は絶えず変化しており、これまでの知識や経験だけでは十分ではないと感じることも少なくありません。そのため、日頃から知識と実践の両方をアップデートし続けることの大切さを強く感じています。
もともと私が放送大学で学ぼうと思ったきっかけの一つは、心理学でした。
今から思えば少し安直すぎる動機ですが、心理学を学べば、もう少し世渡り上手になれるのではないか、という下心がありました。しかし実際に学んでみると、人の心も社会もそんなに単純ではありませんでした。
その代わりに出会ったのは、人の心の複雑さと、それを丁寧に見つめようとする学問の奥深さでした。心理学に導かれるように、文学や歴史、政治にも興味が広がり、心理と教育コース卒業後は、社会と産業コースで学びを続けています。
そんな私にとって、放送大学の魅力は、学びの入口がいくつも開かれていることです。放送大学生としてのひそかな楽しみは、毎学期、授業科目解説を読むことです。ずらりと並んだ科目名や解説を眺めているだけで、「次はこれを学んでみたい」「こんな分野も面白そうだ」と心が動きます。仕事に直接役立つかどうかだけではなく、「知らないこと」への好奇心が刺激されるのです。
さらに、オンラインを活用して、自分の好きな時間に学べる柔軟さも大きな支えです。忙しい日々の中でも、学びを生活の中に組み込めることは、本当にありがたいことだと感じています。
変化の大きい時代だからこそ、学び続けること、そして自分自身も変わり続けることが大切なのだと思います。放送大学は、私にとってそのための心強い伴走者です。
プロフィール
柳樂 真佐実(なぎら まさみ) 放送大学 島根学習センター所属
1970年 広島市生まれ
1995年3月 島根医科大学卒業
2013年10月 人生の折り返しの時期なのに、学びが足りないと危機感を覚え、心理と教育コースに編入学
2024年9月 11年かけて心理と教育コースを卒業
2024年10月 社会と産業コースに再入学
※2026年7月27日発行 文部科学教育通信「私の放送大学」掲載の記事です。


