
心理学を学びたい。学生時代、統計や英語が苦手で、手を出せなかった心理学。社会人となり、英国で学んだときの指導教官が産業心理学者でした。心理学者だけあって、傾聴力が素晴らしい方で、組織の支援をリードする姿を目の当たりにし、いつかゼロベースから心理学を学びたいとの思いを持ちました。
その後、結局、50歳手前まで、仕事を離れる余裕も勇気もなく過ごす中、放送大学で公認心理師に必要な単位取得ができることが目に留まり、2019年秋に編入学。最初の大学生活では学費を無駄にしましたが、30年越しに始めた勉強は楽しく努力すれば成果が出るという、仕事とは違う達成感がありました。食わず嫌いだったΣの意味も初めて感じることができました。また、子供のころから興味があった「脳」についても、神経科学の分厚い本を楽しく眺めるなど、放送授業を軸としながら、本当に学びたいという本能に沿って学習を続けることができました。
心理学を学ぶにあたり、放送大学の心理演習・心理実習の受講を最初の目標とし、ダメ元で挑戦しました。一次選考試験の結果は惨憺たる状況でしたが、面接を通して何とか最初の30人に入れていただけました。人事の仕事を通して「職場に合わない」従業員を抱えることができなかった経験からの原罪意識があり、いつか凸凹があっても職場に戻れるお手伝いをする対人支援側に回りたいとの思いを汲み取っていただけたのでしょうか。
奥深い臨床経験をお持ちの先生方、様々な現場での経験豊富なクラスメイト、そして、実習先の方々から大変多くの学びがあり、心理職のプロフェッショナリズムとその深遠さに圧倒される日々でもありました。同窓生には、既に心理職としてご活躍の方、大学院に進まれた方もいる中、私は未だに仕事を離れられず、大学院にも進めておりません。ただ、学習を継続するため、この春から「生活と福祉コース」に再入学しました。
心理職の専門性の深遠さに触れ、心理職としての活躍は今からは難しいようにも思えますが、職場で心理職の知識が力になれる感覚は日々実感しています。諦めず、微力ながら、対人支援の現場に立てることを目指し、昨年から入学した姉とともに楽しく学んでまいります。
プロフィール
今村 俊子(いまむら としこ) 放送大学 栃木学習センター所属
1969年 福岡県生まれ
1992年 東京都立大学 人文学部(史学科)卒業
2000年 英国 Aston Business School 修士課程修了(人事管理専攻)
2019年 放送大学 教養学部「心理と教育コース」入学
2025年 放送大学 同学部 同コース卒業、「生活と福祉コース」入学
一般企業の人事業務に長く従事。
2022年 キャリアコンサルタント取得
2025年 認定心理士取得
※2026年2月23日発行 文部科学教育通信「私の放送大学」掲載の記事です。


