仏教の多くの教えの中でも特に興味深い「三世因果」とは、過去・現在・未来の三世にわたって、原因と結果が連鎖するという法則です。この教えから二つのメッセージを読み解くことができます。
一つ目は、現在の自分は過去の自分の行いの結果であるということです。自分の現状に不平不満を言い、人のせいにして責任逃れをすることは無意味であり、むしろ自分の過去を反省し、自分の責任を受け入れることが必要なのです。
二つ目は、現在の自分は未来の自分を決める原因であるということです。自分の未来に期待や希望を持つだけでは不十分で、むしろ自分の現在を改善し、自分の行動を正すことが重要なのです。
このように、「三世因果」は、私たちに過去・現在・未来を一体的に捉える視点を与え、「他人と過去は変えられない」けれど、「自分と現在、そして未来」は変えられることを教えてくれます。そして放送大学はまさにこの「三世因果」の教えに沿った学び方を提供してくれる場所だと思います。
放送大学では、テレビ・ラジオ・インターネットなどを使って、いつでも、どこからでも自由に学習することができます。これは、私たちに過去の因に縛られず、現在の果を受け止める機会を与え、自分の年齢や性別や職業や家庭環境などに関係なく、自分の興味や関心に応じて学ぶことができるということです。そして、自分の学びの成果は、自分の努力や能力によって決まり、私たちに現在の因を積極的に作る自由と責任を与えてくれます。
また、さまざまな世代や職業の人たちが意欲的に学んでいるのを目の当たりにし、未来の果を見通す希望と勇気を与えてくれます。そして、いろいろな場面で学びの仲間と出会い、その学びの姿勢や経験や知識を参考にすることで、自分の学びの目標や方向性を見つけることができます。これは、私たちに未来の果を有意義に受け入れる準備と可能性を与えてくれるのです。
私は、タロットカードを読む「リーディングクラブ」を主宰していますが、そこでも〝三世因果を読み解く〞を実践し、過去・現在・未来を一体的に捉える視点を養っています。今後もこのように、放送大学で学んだことを生かして、自分の未来に向かって前進していきたいと思います。
プロフィール
静岡県三島市生まれ、在住。
2008年10月放送大学入学、
2009年10月同教養学部「生活と福祉」編入学、
2022年3月同卒業、
2022年4月同教養学部「情報」入学、
現在に至る。
※2023年9月11日 本誌掲載の記事です。
公開日 2023-11-24 最終更新日 2023-12-11
