堀尾 健一郎
放送大学埼玉学習センター 所長
リテラシーという言葉は30年位前から日本語として広まってきた印象があります。
2008年発行の広辞苑第6版には「読み書きの能力。転じて、ある分野に関する知識・能力」とあります。
放送大学の基盤科目は「すべてのコースにおける学習をするために必要となる基礎的な能力あるいはリテラシーを身に付ける」ための科目であり、その5つのグループは“教養としての学問”、“日本語リテラシー”、“数学・統計リテラシー”、“情報リテラシー”、“外国語”となっています(当然のことですが、外国語にはリテラシーがついていません)。
Webなどで垣間見ると、現状ではもう少し広く「情報を入手し理解し評価し活用する力」とされているようです。
情報コースを2022年度末に退職された三輪眞木子先生は「人々がどのように情報を入手して知識を構築していくのか」を明らかにするという情報行動研究の対象として「高齢者のヘルスリテラシー向上のための教材開発と教育方法の提案」という公募研究を行い、その成果として「健康に老いる秘訣 ヘルスリテラシーを高めて健康寿命をのばそう」という教材を作成されたことを先生からお知らせいただきました。
その教材では、ヘルスリテラシーの向上には、健康・医療情報の“入手”、“理解”、“評価”、“活用”の各段階の知識とスキルを磨くことが重要である、ことが述べられています。
インターネットでは書籍より新しい情報があり得ますが、古い情報・怪しげな情報もあります。
インターネット上情報の評価を行う際には、聖路加国際大学から提唱された「かちもない」というキーワードがあるとのことです。
「かいた人は誰?」「ちがう情報と比較した?」「もとネタは何?」「なんの目的の情報?」「いつの情報?」の頭文字だそうです。
埼玉学習センター機関誌「さきたま」第50号(2023年5月)より
公開日 2023-07-21 最終更新日 2023-07-21