【新任所長挨拶】就任のご挨拶(徳島学習センター所長・橋爪 正樹)

徳島学習センター所長 橋爪 正樹 

本年4月1日付けで石川榮作前所長の後を引き継いで徳島学習センター所長としてお世話させて頂くことになりました。今回の就任にあたり自己紹介を兼ねてご挨拶を申し上げます。

私は昭和56年3月に徳島大学大学院工学研究科を修了後,日本電信電話公社に就職し2年間の研究生活の後,徳島大学工業短期大学部電子工学科助手として着任致しました。その後,令和4年3月末までの39年間,徳島大学に勤務しました。大学院では大西德生元センター所長がおられた研究室で医用電気工学やディジタル信号処理を勉強し,公社では人工知能用コンピュータの研究に携わり人工知能とソフトウエア工学を勉強しました。徳島大学着任後はエレクトロニクス(電子)回路に関する研究を開始し,主としてその回路の高信頼化法とそのための設計法について研究を行いました。このように専門分野が大きく何度も変わった点が他の先生方と異なっています。

徳島大学在職中には運よく平成8年に6カ月間オランダのデルフト工業大学に客員研究員として滞在する機会を得ました。もともと工学分野で世界を牽引していた米国に憧れを持っていた私ですが,そこでの生活を通してヨーロッパの長い歴史と奥の深い文化に触れることができました。大学での研究に対する取り組み方,考え方も異なり欧州の大学の文化を垣間見ることができました。家族とともに滞在しいろいろ勉強になりましたが,その中でも余暇の過ごし方の違いを感じました。その大学の先生夫婦に遊びに行こうと誘われ,吉野川の河口のような海と川が見える河口に連れて行ってくれ,そこを散策しました。近くにあるオランダで有名なチューリップ公園やショッピングセンターでなく,自然を満喫しながらまったりとした時間を過ごすという経験は,便利で工業製品に囲まれ快適な米国式の生活にあこがれていた私にとって新鮮でした。ただせっかくオランダ風の余暇の過ごし方を教示して頂いたにも関わらず吉野川の河口の散策がまだできておらず,ある意味できの悪い生徒です。現在,日本では人生100年の時代と言われる時代となり,そのような過ごし方が求められますが,残念ながらそのレベルまで成長できておりません。

そのような私が定年退職を2年後に控えた令和2年3月以降,生活が一変しました。コロナのまん延で4月から対面での授業が禁止となり遠隔授業になりました。放送大学では放送授業である遠隔授業を中心に授業を行っています。通常,3年をかけて授業の準備を行い動画撮影も専門スタッフが行います。それに対し私の方は授業動画撮影に耐えうるビデオカメラも持っていなかったし授業動画撮影のスキルも経験もなく,手持ちのデジタルカメラで動画撮影し次の授業の準備に追われる日々が続きました。制作した授業動画はとても公開できるレベルでなく,学生に多大な迷惑をかけたと思いますが,幸いにも令和2年度,3年度は対面授業時の合格率を上回りました。学生に聞くと自分のペースで好きな時に何度も授業動画を見られる学習スタイルに助けられたようでした。

放送大学ではもとから映像授業を中心とした授業を行っており,自分の好きな時に好きなだけ自分のペースで自宅で学習できます。またその映像授業だけでなく各学習センターが開講する面接授業で教員から直接指導を受けることもできるし,サークル活動も可能です。ただ残念ながら現在はコロナ禍でそれらの活動は制限されていますが,学生同士や教職員との交流は非常に重要ですので,コロナが収まった際には本学習センターを積極的にご活用いただければ幸いです。このような私がどこまで徳島学習センターでの活動に貢献できるかわかりませんが,精一杯やらせて頂きますのでよろしくお願い申し上げます。


徳島学習センター機関誌「よしの川」第 94号(令和4年4月)より

公開日 2022-05-18  最終更新日 2022-11-01

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