【学習センター機関誌から】「批判的思考」を鍛えよう

福島学習センター所長  千葉 悦子

 春風が心地よい季節となったこの時季に入学した皆さんを心から歓迎し祝福いたします。それぞれに目標や目的、夢や「思い」をもって入学を決断されたことでしょう。さまざまな困難があろうかと思いますが、熱意と粘り強さで乗り越え、それぞれの目標を実現されるよう願っております。皆さんの勉学を精一杯お手伝いいたします。


 大学で学ぶにあたって、私が大切だと思っていることを三つほど述べたいと思います。一つ目は「批判的に摂取する」ということを大事にしてください。放送大学の学生の皆さんは、学ぶことに熱心ですが、その反面、放送授業やマークシート式の試験では、どうしても受け身の学習になりがちです。そこで、講義や教材テキスト・著書・論文などを鵜呑みにするのではなく、「どうして」「おや」「すごい」「なるほど」などと「意識する」ことに努めてください。


 これを批判的思考とか、批判的学習と言います。つまり知識や情報を無批判に受け入れるのではなく、批判的な思考を働かせて自分の頭で判断することです。


 これはなかなか言うほど簡単なことではありません。インターネット社会ですから必要と思えそうな情報にはすぐにアクセスできます。しかし、誰もが簡単に発信できるので、間違った情報も沢山あります。そのまま受け入れるのではなく、「まてよ」、「本当か」と立ち止まってみること、立論の根拠は何だろう、立論は本当に妥当か、それとは異なる立論はありえないのかなどなど考えを深めてみましょう。


 それから、二つ目ですが文章を書くということにも努めてほしいと思います。「批判的に学ぶ」ということと重なるのですが、「書く」という行為は、見たり、読んだり、聞いたりするのとはまた違います。自分の考えが明確でないと書けません。自分の考えをある程度論理的に、筋道立ててみないと書けないのです。このように、文章を書くことで、論理的に思考する能力が鍛えられます。学びの質が変わると言ってよいでしょう。


 しかし、放送大学の学習方法で批判的・論理的に思考する力量を伸ばすのはなかなか大変です。他者との相互の学び合いのなかでこそ、自分の問題意識や学びの理解が深まるからです。その点、面接授業は他の学生とともに学ぶ双方向型授業で教員との交流が深められる貴重な機会といえます。また、単位にはなりませんが、ゼミやサークル活動もお勧めです。

 福島学習センターでは客員教員によるゼミがいくつも行われています。テキスト購読やテーマを設定して意見交換するゼミなど、日頃の個人での学びとは異なって、ともに学び合う楽しさを感じられる絶好の場だと思います。

 所長カフェでは学生の問題関心や学習成果を話題提供してもらい、それをめぐって議論を交わすかたちで行っていますが、時間が経つのも忘れる楽しい時間です。対面での学び合い、交流の機会を積極的に作ること、このことにも是非努めてください。このことが三つ目に大切にして欲しいことです。
 有意義な学生生活を送られることを期待しています。


(福島学習センター機関誌「もみじ」第97号、2022年4月発行より)


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公開日 2022-08-19  最終更新日 2022-08-19

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