【学習センター機関誌から】 学習意欲を高め、維持するには

大分学習センター 客員教員 鈴木 雄清
(大分大学准教授)

未来学者アルビン・トフラーはインターネットが一般利用される以前であった1980年に、農業革命、産業革命に続く「第三の波」として情報革命の到来を予測しました。その予測は的中し、インターネットや人工知能などの革新的なデジタル技術の進展によって現代社会は著しい変化の時代を迎えています。

今後も大きな変化が予想される社会に適応して恩恵に与(あずか)るためには、生涯を通じて主体的に学び続けなければなりません。主体的に学ぶためには、学習意欲を高めることが不可欠です。

動機づけの理論や研究、脳科学の研究などは、私たちが学習意欲を高め維持する方法を選択するのに参考になります。それらに基づいた学習意欲を高めるための方略として、脳への刺激をコントロールすること、努力すれば成功できるという信念を強めること、学んだことに意義を見出すこと、自分なりのやり方で学ぶことの4つをご紹介します。

1つ目の方略は、脳への刺激をコントロールすることです。
これは集中力を高めることに関係します。特に学習意欲が高まらないときには、学習する場所や環境を変えたり、時間を区切って学習に取り組んだりするなど、脳に刺激を与えることが効果的です。やる気がなかなか出ない時には、とりあえず学習に取り組んでみると、それ自体が刺激になって学習意欲が高まることもあります。また、心拍数が上がるような運動によって脳の血流を促進することも、学習への意欲や集中力を高めるのに貢献します。

2つ目の、努力すれば成功できるという信念を強めるための具体的な方法は、挑戦すれば短期間で達成できそうな学習目標を設定することです。
高い目標や長期間を要する目標の設定だけでは、なかなか成功できないので、動機づけを維持することが難しくなります。加えて、しっかり身についたかを確認できるような練習を何度か繰り返すことによって、知識や技能を定着させ、自信を高めることができます。

3つ目の方略は、学んだことに意義を見出すことです。
そのために、学んだことを日常生活や仕事、学習等で実際に活用してみるのは良い方法です。生活や仕事ですぐに役立てられるものもあれば、日頃の会話や物事への見方、情報収集のための新たな視点になるものもあります。また、学んだことと自身の将来や現在の目標との関連性を考えてみることや、その目標の達成度を振り返ってみることは、学びの意義を認識する助けになります。

4つ目の自分なりのやり方で学ぶというのは、自分のやりやすい方法やペースで学習を進めるということです。
自分の学習方法を点検し、やり方を工夫したり新しい方法を試したりして自分にあった学習方法を獲得できると、学習そのものの楽しさを感じることができます。

放送大学の学習センターでは、年齢や背景の異なる多くの学ぶ仲間と交流することができます。授業だけでなく、ユニバーシティ・カフェ*や学習相談、サークル活動等を通じて、学びのコミュニティの仲間とともに学んだり励ましあったりすることは、お互いの学習意欲を高めることにも繋がります。

自分にあった学習意欲を高める方法を採用して主体的に学び、人生をより豊かにしていきましょう。

*ユニバーシティ・カフェ:大分学習センター客員教員によって行われる”ゼミナール”のことです。それぞれのテーマに沿って、月に1回のペースで開催しています。


(大分学習センター 機関誌「ゆふ」第107号より)


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公開日 2022-08-19  最終更新日 2022-08-19

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