青森学習センター所長 浅野 清
ロシアのウクライナ侵略が始まってすぐ、メディアでのウクライナ都市の呼称が変わった。支援と連帯を示すことを目指し、日本政府からウクライナ政府に提案したことによるものでした。
キエフからキーウ、オデッサからオデーサ、ドニエプルからドニプロ、1986年に原子力発電所事故が起きたチェルノブイリはチョルノービリと、ウクライナ語読みへの変更です。
この時の日本政府の対応は本当に早く、目を見張るものがありました。
続いてウクライナの隣国モルドバからの要請により、首都キシニョフを公的に使われているルーマニア語読みのキシナウに変更しています。
この数年、いくつかの国が名称などの変更を発表しています。
ロシアとトルコに挟まれたグルジアが2008年以降、「ジョージア Georgia」と変更するよう各国に要請し、日本では2015年になって法律の改正と共に施行されました。
アメリカに同名の州があるので、当初は違和感を持ちましたが、今では大分慣れてきたように思います。
オランダの場合は、2020年1月に正式名称を英語の「The Netherlands」に統一することを発表しました。
中学生で初めてオランダの英語名を見た時に、何故こんなに違うのだろうと思ったことがあるのは私ばかりではないのではないでしょうか。
日本語での「オランダ」は変更がないというので安心ですが、海外旅行に行くときや英語で会話する時は注意が必要かもしれません。
もう⼀つはトルコ。英語での国名は Turkeyですが七面鳥の意味でもあることから、国連での表記はトルコ語の発音による Türkiye(トュルキエ)になりました。
英語の正式名称は the Republic of Türkiye 日本語ではトルコ共和国のままです。
日本の国名はどうだろうか。英語では「Japan」、日本語では「日本国 にほんこく」「日本国 にっぽんこく」の2通りがある。
日本語のほうはどちらを使っても良いことになっているなど、日本らしいともいえるのだが、外国人に正式な国名・発音について質問されても答えられなかったことが、なんとも悔しい。
青森学習センター機関誌「りんご-林檎-」第112号(2022年10月発行)