【学習センター機関誌から】ありたい自分を創造するための楽習(がくしゅう)

田中 響

放送大学鳥取学習センター客員教員

放送大学と私

鳥取に来て12年目の夏を迎えています。ここに至るまでの私の経緯を少しお話したいと思います。私は看護師の免許を取得し、16年間看護師として働いてきました。看護師という職業は、生涯学び続ける職業と言っても過言ではありません。医療・保健・福祉が日々変化する社会情勢の中で、看護も絶えず進化しています。それに対応するためには、学び続けることが必要です。
また、病棟の配置転換があるため、そのたびに新たな専門知識と技術を習得する必要があります。私はこれまで3回の配置転換を経験し、そのたびに学び直しました。さらに、経験年数が増えると看護学生の実習指導も担当するようになります。学生を指導することは楽しい反面、自分の知識不足や技術の未熟さに直面することでもあります。
このような職業上の特性から、看護職者は日々学び続け、試行錯誤しながら最適な学び方を見つけていきます。その中で、当時の上司から通信制大学に進学することを勧められました。看護専門学校を卒業していた私は放送大学に編入し、学ぶことになりました。通信制の大学で学ぶことは続けるのが難しいと感じていたため、夫と一緒に入学し、お互いに励まし合い、競争しながら学びました。その結果、無事に卒業することができました。この方法は非常に効果的でした。その後、学位授与機構で学士(看護学)の学位を取得するために科目履修し、学位を取得しました。上司の勧めがきっかけでしたが、放送大学で学ぶことの楽しさを知ることができました。

学習を楽習に

学ぶことを労務と捉えていた私は、学ぶことの楽しさに出会い、ますます学びたくなりました。学習が楽習(たのしくまなぶ)になったのです。新しいことを知り、それを実践し、応用することの楽しさは、わくわくする体験となります。このような経験を看護学生たちにも体験してもらいたいと思い、今度は教育学を学ぶことにしました。大学院修士課程、博士課程を経て、現在は大学の教授となりました。
まだまだ知らないことや未熟なことが多くありますが、新しいことを知り学ぶ楽しさ、わくわく感は今も続いています。自分と向き合い、学ぶことをわくわくする体験にシフトチェンジすることで、毎日が楽しくなると思います。

ありたい自分を見つける

今、私はフラダンスにはまっています。鳥取県に来て、日本のハワイ(羽合)があることを知りました。運動不足を解消するために始めたフラダンスが、深い体験となっています。フラのことを語り出すと紙面には収まりませんが、フラを始めたことで友人が増えました。これは私にとって宝物です。
フラの歴史・文化、各動作の意味、ハワイの自然や信仰など多くの要素がフラを形作り、受け継がれていることを知ることが大切だと学びました。今、私はフラという学びを日々楽しんでいます。
今回、このような私の体験を書く機会をいただき、改めて自分の学びの経験を振り返ることができました。私は常に学び続けることとともに生きていると実感しました。言い換えると、学ぶことは生活の一部であり、これからの私、ありたい自分を創造していくのだということを学びました。ありたい自分を創造するための楽習を一緒にしていきましょう。

先生のプロフィール

鳥取看護大学 教授 神戸市出身。看護師として病院で勤務し、その後、大学教員になりました。
兵庫教育大学連合大学院で博士(学校教育学)を取得し、看護師養成大学での教育を楽しんでいます。鳥取に移住し、10年、移住とともに始めたフラダンスがいきがいになっています。
専門分野:【基礎看護学】


鳥取学習センター機関誌「ぷりずむ」第194号(2024年7月発行)より掲載

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