
同級生のほとんどが大学や短大に進学して行く中、高卒で就職を選んだことに私は後悔に似た気持ちを持ち続けていました。子育て中から放送大学に関心があり入学したいと思っていましたが、その頃は自分のために使うお金はありませんでした。
三男の卒業式に参列するため岩手大学を訪れ、たまたま入った大学図書館に放送大学リーフレットが置いてありました。それを手に取ったとき「やっと三人の息子たちを卒業させた。次は私の番だ!」という思いが浮かんだのです。
資料を読み、10年計画で卒業を目指すことにしました。とはいえ、パソコンも得意ではなく、コロナ流行時は仕事も忙しく勉強ははかどりません。面接授業受講後はレポート課題作成に追われ、単位認定試験が近づくと印刷教材やインターネット配信動画視聴に慌てて取り組む、この繰り返しでした。とても自慢できる学生生活ではありません。仕事や家事との両立は想像以上に大変でした。
それでも、卒業したいという気持ちだけはあり、一学期で取る単位数を減らして無理せず続けよう、と気持ちを切り替えて取り組みました。家族と参加するマラソン大会でも、制限時間内にゴールして完走することだけを考えて走っていますが、同じだなぁと卒業できた今は感じています。
在学中に母の癌が再発し、看病の助けにしようと看護学の授業を取りましたが受講する前に息を引き取ってしまいました。急に母が亡くなり気力が失われた時も放送大学の勉強を続けることが私を支えてくれました。
マラソンと同じで、諦めずに前へ一歩ずつ進めばゴールは必ず来るのです。卒業できたことは私の人生においてひとつの自信になりました。若い時に学生生活を送ることはできませんでしたが、五十代後半になって大学生になれたこと、学ぶ機会が訪れたことはとても幸せでした。学ぶことの楽しさを教えてくれた放送大学、いつでも私を待っていてくれる放送大学に感謝です!
プロフィール
髙野 利枝子(たかの りえこ) 放送大学 宮城学習センター所属
2018年4月 放送大学教養学部「心理と教育コース」入学
2025年3月 「心理と教育コース」卒業
今夏の富士登山を終えてから他コースへの再入学を検討中。
※2025年6月23日発行 文部科学教育通信「私の放送大学」掲載の記事です。