【学生の声】「百一歳の学生です」 清水 伭市

2022年3月28日、私は17年間の歳月を経て99歳にして念願の学士(教養)の学位を取得することができました。
七人兄弟の四男として生まれた私は、親の影響と思いますが、幼い頃から本を読むのが好きで、尋常小学校卒業後は16歳で上京し、毛布工場で働きながらも大学進学を目指し予備校に通いました。

しかし、1944年に21歳で出征することになり、満州で終戦を迎えるとシベリアに抑留され過酷な捕虜生活を送りました。

48歳で実家に戻ったときには、経済的余裕はなく進学は諦め養鶏業を始め、半世紀にわたり仕事一筋に働きました。

そんなとき、仕事をしながらも学ぶことができ、学位を取得できる放送大学の存在を知りました。
新たな人生の転換期がやってきたのです。学びたいという熱い思いが再燃し、82歳という高齢でしたが、2005年4月に全科履修生として徳島学習センターに入学しました。

心理と教育コースを選んだ理由は二つあります。
一つは、抑留時代に旧ソ連から生還する際に、青い目の将校たちは、私たちと同じような心情の眼差しをしていたことに驚き、人種による心理面での共通点や違いについて興味を持ったことです。
もう一つは、我が家には四人の孫たちがいますが、子供を育てるには環境が大切だと考えたからです。

私は高齢で自宅から学習センターまでの距離が遠かったので、当時、地元の福祉センターに設置されていたセンター外視聴室を利用して学習しました。また、面接授業では徳島以外に香川学習センターでも面接授業を受講しました。
放送大学で色々な年齢や職業の人との出会いがあり友達になれたことは、私にとって大切な宝となっています。

現在、私は101歳になりましたが、選科履修生として在学しており、インターネット配信で放送授業を自宅で視聴しています。
おかげで、50代で習い始めたパソコンの使い方を思い出して自分で文書を作成するなど、学ぶことや知ることの楽しさを感じています。これまで支えてくれた全ての皆様に感謝を申し上げます。


プロフィール

清水 伭市(しみず げんいち)

2005年4月 全科履修生心理と教育コース入学
2022年3月 心理と教育コース卒業・学士(教養)の学位取得
2022年4月 選科履修生(継続して在学中)

※2024年12月23日発行 文部科学教育通信「私の放送大学」掲載の記事です。


徳島学習センターウェブサイトはこちら

公開日 2025-02-21  最終更新日 2025-02-21

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