【学習センター機関誌から】シリーズ 古建築を楽しむ

歴史的建造物等活用コンシェルジュサイトより
シリーズ 古建築を楽しむ~若狭町 熊川宿~

前回の今庄宿と同じく重要伝統的建造物群保存地区である若狭町の『熊川宿』をご紹介します。

日本海や蝦夷地で採れた海産物や塩を京都に運んだことから名前が付いた「鯖街道」、『熊川宿』はその物流の中継地、集積場として栄えました。今でも1kmに渡って、間口の広いベンガラ塗りの町家が軒を連ねており、1996年 (平成8年)に福井県初の伝建地区に選定、2015年(平成27年)には日本遺産の第一号「海と都とつなぐ若狭の往来文化遺産群~御食国と鯖街道~」に認定されています。

『熊川宿』は上ノ町(かみんちょ)中ノ町(なかんちょ)下ノ町(しもんちょ)の3つの町で構成されており、近年空き家などをリノベーションした店舗や飲食店・美術館などが続々とできています。

『菱屋街道シェアオフィス&スペース』も、昔は荷を船から馬へ乗せ換えた場所でした。今は昔を活かしつつ洗練されたデザインの内装で、分散型ホテルのフロントやレンタルスペースなどとして活用されています。その一角には『SOLL'S COFFEE』が東京を飛び出して移住出店しており、素材にこだわったコーヒーやサンドイッチなどを提供しています。

カフェといえば蔵を活用した『irodori Labo』。家具などがとてもオシャレで産地にこだわった飲み物やケーキが味わえます。こちらは日時を限定してカフェをしたい方が借りることができます。そして熊川宿では棟貸しの古民家宿に滞在して静かな夜を堪能できます。『八百熊川』は『菱屋』をフロントに、下ノ町などに点在する蔵や町家をリノベーションした棟貸し宿で、それぞれ個性的な間取りになっており、地元の食材を楽しめるお料理やかまどでお米を炊く体験などもできます。ほかにも、『旧逸見勘兵衛家住宅』は何と市の文化財なのに宿泊できます!

知れば知るほど入り込める熊川宿、毎月最後の日曜日には『熊川マルシェ』で賑わいます。ぜひいらしてください!

街道シェアオフィス&スペース菱屋 | 歴史的建造物等活用コンシェルジュプロジェクト
https://www.rekikenkatuyo-fu.com/property/hishiya

irodori Labo. | 歴史的建造物等活用コンシェルジュプロジェクト
https://www.rekikenkatuyo-fu.com/property/irodori-labo

旧逸見勘兵衛家(若狭町指定文化財、ふくいの伝統的民家認定) | 歴史的建造物等活用コンシェルジュプロジェクト
https://www.rekikenkatuyo-fu.com/property/henmikanbee

プロフィール紹介

乾 陽子(いぬい ようこ)

横浜市出身。高校卒業後、大学・大学院で建築学を学び、専門は「市民まちづくり」。
結婚を機に福井に移住、25年。現在は地方公務員として建築職の業務に従事。
過去に移住や空き家活用、住教育などに取り組む。
放送大学には、2020年第2学期全科履修生「心理と教育コース」に入学、2022年には認定心理士の資格取得。
1級建築士、宅地建物取引士のほかヘリテージマネージャーと言う古い建物の保存活用の専門家の資格を有し、
「ふくいヘリテージ協議会」において、空き家活用について積極的に活動中。
趣味は、街歩き、食べ歩き、絵本。9月に基礎絵本セラピスト®の資格を取得し、古民家を会場とした「大人の絵本の会」を開催中。


福井学習センター機関誌 「楽学喜」98号(令和6年4月発行)より

 

公開日 2024-08-30  最終更新日 2024-08-30

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