【学習センター機関誌から】謝辞 卒業生・修了生代表-奈良

教養学部 人間と文化コース
松田 充広

コロナ禍の厳しい月日を過ごし、やっと通常の日々が戻ってきました。ここ奈良の地も、多くの観光客が戻ってきて、春の訪れを楽しんでいます。そのような中、本日このように卒業証書・学位記授与式を開催してくださり、ありがとうございます。先程は、岩永学長からのビデオメッセージに続き、奈良学習センター所長の井上容子先生、並びに奈良同窓会会長の山本徹様から、心温まる丁重なご祝辞を賜り、誠にありがとうございました。

私は2001年の春、放送大学の門をたたきました。その時は奈良学習センターがここ奈良女子大学の中ではなく奈良佐保短期大学の中にありました。23年前、入学式にワクワクしながら行ったことを思い出します。仕事の現役真っただ中に入学したので、還暦までには全コース終わればいいなぁと進めていき、気が付けば全コース卒業までにかなりの時間がたってしまいました。

入学時にはぼやけていた自分なりのテーマも徐々に定まっていき「家族」をテーマに教材を選んでいくようになりました。そして、その中で学んだ「家族」のあり方は考え方すら変え、里子・養子を迎え入れるきっかけとなりました。その子供も一人は成人し、もう一人は高校生となっています。学ぶという事が人生の変化につながるものだと今更ながらに実感しています。

大学・大学院と卒業していく間に23年という長い月日が経ってしまったのですが、本当のところ何度も辞めようと思いました。放送大学の門戸は大きく開いており、入学しやすいと思います。ところが、なかなか続けるのがむずしい大学です。会社の上司や同僚、家族ですら「なぜ今頃大学に行くの?」「どんなメリットがあるの?学割のため?」と聞かれました。また、仕事も忙しく放送を聞く時間もなく、今のようにインターネットで配信されていない時代だったので録画して、夜中に見たり、出張中に新幹線の中で見たりしていました。試験も会社を休まないと単位が取れないことが多くありました。そのようなこともあり「なぜ放送大学に通っているのか」と自問自答をすることが多かったです。いろいろと考えましたが、結局「学ぶこと」が好きだからという結論になってしまうのです。本当にうわべのメリットを求めると続かない大学だと思います。

放送大学での学びの日々は、23年の長い月日の間、私に新たな希望と活力を与えてくれました。忙しい日々の中で、学びの喜びを感じ、成長していくことができたことに心から感謝しています。

この場を借りて、諸先生方、職員の皆様に厚く感謝申し上げます。皆様の導きと励ましにより、私たちは知識を深め、学びを楽しむことができました。卒業生一同、心からの感謝を述べさせていただきます。そしてなによりも、家族や会社の上司や同僚、私たちを支えてくれた全ての方々に感謝をしております。春の日差しのように、あたたかな支えがなければ、私たちは今日のこの日を迎えることはできませんでした。学びの道のりを共に歩んでくれた皆様に心からの感謝を捧げます。

これからは、社会に家族にそして奈良の地のために、放送大学での学びを活かして貢献していきたいと思います。

最後になりますが、奈良学習センターの益々のご発展と、本日ご列席の皆様のご健康とご多幸を祈念申し上げ、御礼の言葉とさせていただきます。


奈良学習センター機関誌 「芳藻(ほうそう)」123号(2024年5月発行)より

公開日 2024-05-28  最終更新日 2024-05-28

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