【学習センター機関誌から】言語習得理論と英語の学び方①

沖縄学習センター客員教員 大城 賢
(専門分野:英語教育学)

 

 

 

 

私は中学校、高校、大学と40年ほど英語を教えてきました。自分自身も英語を学び続けてきました。また、大学では英語教師を目指す学生のための英語教授法などを担当してきました。英語の授業では文法を解説して指導することもよくありました。しかし、実際にそれを使って会話をすることができるかというと、そうでもないことも分かりました。また、あんなに繰り返し練習をさせたのに学習者は実際には使えるようにはなりませんでした。それはなぜでしょうか。


たいていの場合、指導者は自分が持っているbelief(信念)に基づいて指導しています。例えば外国語は主に模倣(真似ること)によって学ばれるという信念をもっている指導者は、学習者に何度も英語を真似させることでしょう。また、学習者の誤りは悪い習慣をつくることになるので、その場で修正されるべきであると考えている指導者は、学習者が間違うたびに、その間違いを指摘することになるでしょう。しかし、そのような指導は果たして適切なのでしょうか。

一般的に英語が話されている環境に置かれると、日本人の子どもでも英語をすぐに話せるようになりますが、大人はなかなか話せるようにはなりません。それはなぜでしょうか。母語習得はほぼ誰でも成功するのに、外国語の習得は個人差が大きく習得が難しいのはなぜでしょうか。


第二言語習得に影響を与えるものとして、これまでの研究から、以下のようなことが考えられています。それは、(1)年齢、(2)動機づけ、(3)適性、(4)知能、(5)学習(指導)法、(6)社会環境、(7)言語間の距離などです。ただし、第二言語習得のレベルをどこに置くかでその重要度は異なってきます。第二言語としてネイティブ並みになった人は、その時点で自分の元の言語能力を失っている場合もあります。それは果たして第二言語習得と言えるのでしょうか。

第二言語習得研究の分野ではまだまだよくわからない事も多いです。様々な要因が絡まっていて簡単に説明することは困難です。しかしながら、ある程度、一般的に言えることもあります。


そこで、このシリーズでは、母語習得や外国語習得の研究を踏まえて、上述したような疑問を一緒に考えてみたいと思います。シリーズの後半では、どのようにしたら英語が効率よく学べるのか、読者のみなさんがそれぞれにヒントを得られることができればと考えています。


 

(沖縄学習センター機関誌「キャンパスニライ98号」より)

 

機関誌『キャンパスニライ』バックナンバーはこちらから→https://www.sc.ouj.ac.jp/center/okinawa/about/magazine.html

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