【学習センター機関誌から】2022年度の年頭、「人生について思索する」

山形学習センター 所長
安田 弘法
(専門分野:生態学・応用昆虫学)

「人生二度なし。これ人生における最大最深の真理なり」と、国民教育者であり、哲学者の森信三氏は述べています。

古代中国に端を発する自然哲学の思想に「五行説」があります。この五行の色と四季を合わせて、青春、朱夏、白秋、玄冬の言葉が生まれたそうです。
これを人生に例えると青年期は「青春」、30代から40代は「朱夏」、50代から60代は「白秋」、晩年期は「玄冬」。65歳から始まった我が第二の人生、これから「玄冬」です。

最近、「今までの人生とは何であり、これからの人生をどう生きるか」とフト考えることがあります。10代半ばからの「青春」には、「生きるとは何か」を思索しました。この時期、シュバイツァー博士の「生命の畏敬、生きることに価値がある」を学びました。

「朱夏」から「白秋」への28年間の大学教員時代、前半は教育・研究に専念、後半は学部や大学の管理運営に従事した日々。仕事に時間の大半を費やし、「人生について」考えることが少ない時期でした。

「玄冬」に向かう今、時間的な余裕が「人生とは何か」という本質的な命題を思索させます。

27歳で京セラを創業し、78歳からの3年間でJALを再生した稲盛和夫氏は、「人生の目的は、世のため人のために生き、愛と誠と調和に満ちた美しい心を作り、魂を磨き人格を高め、人間性を豊かにすることである」と教えています。

また、渋沢栄一氏は、「天意夕陽を重んじ、人間晩晴を貴ぶ」を晩年に好んで揮毫したそうです。これは、「太陽は一日中働き、沈む瞬間に鮮やかな光を放つ。夕陽があんなに美しいのは、天がそういう生き方を賞賛しているからである。人間もまた夕陽のように、晩年になればなるほど晴れ渡り、残照で周囲を照らすような生き方がよい」との教え。

「天意夕陽を重んじ、人間晩晴を貴ぶ」を目指し、「世のため人のために生き、魂を磨き人格を高め、人間性を豊かにする」ことを胸に、これからの人生を楽しみたいと思います。

皆さんも忙しい日々、ちょっと立ち止まり今までの人生を振り返り、これからの人生について思索してみては如何でしょう。
「人生二度なし」です。


(山形学習センター機関誌『ゆうがく』82号 2022年6月発行より)
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公開日 2022-09-16  最終更新日 2022-09-16

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