『量子化学(’19)』 (放送授業・テレビ科目)

担当講師:橋本 健朗
(放送大学 教授)

担当講師:安池 智一
(放送大学 教授)

<推薦者のコメント>尾崎 泰孝 さん(選科履修生)

高校や基礎科目で学ぶ化学結合に対して「なぜ?」という疑問が残っている方や、産業界や教育現場での実務を通じて化学を体系的に学び直す必要を感じている方におすすめの講義です。

私たちの身の回りに存在する物質の「成り立ち」や化学反応を理解するため、高校では化学結合を学びます。
たとえば、食塩はイオン結合、酸素は共有結合をしていると説明されます。
しかし、その背景を深く掘り下げると、以下のような疑問が生じることがあります。

・イオンの周囲にも電子が存在するはずなのに、なぜ「ぶつからずに」結合を維持できるのか?
・酸素原子2つの結合は理解できても、酸素3つのオゾンはどのような仕組みで結合しているのか?

この講義では、化学結合の背景にある量子力学の初歩から学び、結合や化学反応を運動やエネルギーの観点から再考します。
数式を多く用いるため難しいと感じる部分もありますが、講師の先生方は数式に振り回されて本質を見失わないように、図解や要点の見直し、実験映像の活用など工夫を凝らして授業を進めています。
また、印刷教材では演習問題と丁寧な解答も用意されており、自習にも役立ちます。

さらに、講義では化学結合に加え、光と分子の相互作用についても学びます。
私自身、会社で近赤外分光法を扱う中で、基礎知識が不足していたために測定がうまくいかず苦労した経験があります。
同じような悩みを持つ方も少なくないのではないでしょうか。
現代では、便利なシミュレーションツールも普及していますが、これらを正しく使いこなすためには原理の理解が不可欠です。

実験装置やツールを「使えてしまう」だけではなく、その仕組みを「きちんと理解したい」という方にとって、この講義は特におすすめです。学び直しを考えている方は、ぜひ受講を検討していただきたいと思います。


<橋本先生、安池先生 両先生からのコメント>

お薦めいただきありがとうございます。

「量子化学(’19)」は、自然と環境コースのカリキュラムの中でも専門科目の最上位に位置します。それだけ深く、現代化学を理解したい方に向いています。コメント頂いたように、分光測定や分子シミュレーションが身近となった今こそ原理に立ち返って理解したい方々にも役立つ内容を含み、教員や専門職の方にも十分学びごたえのある内容になっていると思います。

目に見えない原子、分子の世界を、理論に基づきながら想像する力を養えます。同時に、日常のマクロ世界とは違うミクロ世界を味わうこともできるでしょう。経験で得た知識を知恵に変えてきた、化学の発展してきた道を学ぶのにも役立つと思います。

化学の世界の見え方が変わってくること請け合いです。説明の仕方にも工夫をしていますので、ぜひ多くの方にチャレンジしていただきたいと思います。

担当講師:橋本 健朗
(放送大学 教授)

担当講師:安池 智一
(放送大学 教授)


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 放送大学シラバス 『量子化学(’19)』


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公開日 2025-02-21  最終更新日 2025-02-21

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