【学習センター機関誌から】大学院のすすめ

福井学習センター所長
小野田信春

新年度が始まって三か月が過ぎました。単位認定試験も間近ですが、学習の進みは順調でしょうか。 ご存じの通り、放送大学は生涯教育を第一の目的としています。人生 100 年時代を迎えるとも言われ、生涯学習の重要性が高まりを見せています。皆さんも、まずは当面の勉学に集中しつつも、その先も見通した学習計画を立ててみてはいかがでしょうか。

学びを深める方向は二つあります。一つは横に広げる、つまり、いろんな分野を学習することです。
放送大学教養学部には6コースがあり、ほぼすべての学問分野がカバーされています。複数のコースで学べば、自ずと知識の幅が広がります。6コースすべてを卒業すると名誉学生の資格が得られますが、福井学習センターではこれまでに4名の方が名誉学生になられています。全国では、今年3月の卒業式だけでも 86 名の名誉学生が生まれています。

もう一つは縦方向、つまり専門性の深化です。
具体的には大学院で学ぶことです。大学院は通常、修士課程と博士後期課程から成り、放送大学でもそれは同じです。前者は修士号、後者は博士号のための課程です。博士号を取得すれば、研究の第一線に立つことができます。福井学習センターでも一昨年度、初の博士が誕生しました。ただ、研究者が自立できる環境が十分ではないこともあり、後期課程への進学者はそこまで多くはありません。

それに比べると、修士課程ははるかに一般的で身近な存在です。実際、日本全体で学部卒業者の大学院進学率は11%ほどですが、学問分野によっては修士課程進学が当然のようになっていて、たとえば理学系や工学系に限れば平均進学率は4割を超え、中には8割以上が修士に進むという大学もあります。

放送大学では、3月の学部卒業生が 4,243 名で、修士課程修了者は 226 名でした。データを見ると、学部卒業者数は近年増加傾向にありますが、逆に修士課程修了者数はピーク時の 453 名から年々減る傾向にあります。いろんな要因が考えられるとしても、この傾向は残念な気がします。

知識の幅を分野をわたって横に広げていくことが生涯学習の基本的な形態であることはその通りです。一方で、専門性を縦方向に深化させることも、それに劣らず重要です。両者を比較しても意味はありませんが、現状を見る限り、専門性を高める方向に向かう人がもっといて欲しいと思います。福井学習センターから大学院進学者がもう少し増えることを切に希望しています。


福井学習センター機関誌『楽学喜』91号 令和4年7月発行より

公開日 2022-11-18  最終更新日 2022-11-18

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