

担当講師:倉田 賀世
(熊本大学大学院教授)
<推薦者のコメント>中嶋 祥起さん(全科履修生)
私のおすすめ科目は「少子化時代の子育て―法と政策(’25)」です。
ここ数年で姪、甥が生まれた私は、物理的に距離の離れた彼らに出来ることが限られる中で、養育者以外の立場として何ができるか、ということを考え始めた時期にこの科目と出会いました。
まず、この科目は、「子育ての仕方や子育て支援の技術・方法に関する手法を教授することを目指すもの」ではない、というシラバスの記載通り、全8回の授業を通じて、子どもや子育てにまつわる法制度の意義や歴史的背景、課題に焦点が当てられます。そのため、子育て、妊娠・出産、保育、障害児、社会的養護、児童虐待を根拠づける、専門職以外の人にとっては普段目にすることの少ない法律や政策が紹介されます。
しかし、あくまでも「入門的な」科目のため、我々が置いてけぼりにならないように、必要最低限の情報に絞って、要点だけが紹介されます。また、授業内で配布される資料と小テストを活用すれば、そこまでおっかなびっくりする必要はありません。
そして、全8回の授業を終えた後に、記述式のレポート課題があります。
授業内で得た知識をもとに与えられたテーマを論じることは、レポートを書くことがそこまで得意ではない私にとって、骨の折れる作業でした。おそらく、多くの人にとっても簡単ではない作業なのだろうと思います。
しかし、レポートを書くために、ニュースや新聞記事から情報を得て、子育て経験のある家族に話を聞き、官公庁のWebサイトから情報を探しながら、各法制度の意義、さらにはそれぞれのメリット、デメリットを考える時間はとても有益でした。
養育者ではない立場として、税金を納めることや社会保険料を払うことは、これまでも、これからも重要であることには変わりありませんが、それに加えて、法制度の意義や課題を理解すること、さらには世代間対立をむやみに煽る言説を鵜呑みにしないことを全8回の授業とレポート課題を通して学びました。
ぜひ多くの方にこの科目を受講していただき、子どもを育てるということをそれぞれの異なる立場から考えるきっかけにしていただければと思います。
<倉田先生からのコメント>
おすすめコメントを頂き、ありがとうございます。
講義の意図をしっかりと受け止めていただけたことも大変嬉しく思います。
本講義では「子育てに関する法や政策」を取り上げます。一見すると堅苦しいテーマに思われるかもしれませんが、図や映像を交えて、法制度と結び付けながら理解できる内容になっています。
おすすめコメントにもあるように、子育てをしていない方も税金や社会保険料を通じて子育て支援に関わっています。その「負担のあり方」や「支援の意義」について、一緒に考えてみませんか。子育て中の方はもちろん、幅広い世代の方々にも、新しい視点を得ていただけるのではないかと思います。
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公開日 2025-10-31 最終更新日 2025-10-31











