【学習センター機関誌から】食はクスイムン(薬になるもの)~かっちゃん先生(森山克子先生)のゆんたくコーナー

森山 克子
沖縄学習センター客員教員
(専門分野:給食管理、調理学、食育)

前号(第105号)に続き、日本調理科学会で発表した沖縄県の家庭料理-行事食の特徴-を、ご紹介します。
※ キャンパスニライの前号以前はこちらのバックナンバーからご覧ください。

1.ユッカヌヒーの料理

旧暦の5月4日は「ユッカヌヒー」。
いわゆるこどもの日で、チンビン(黒糖味のクレープをくるくる巻いたようなもの)を食べ、子どもの健康を祈願します。

翌日の5日には、あまがし(押し麦、緑豆、黒砂糖の入ったぜんざいのようなもの)を供えます。

チンビン

2.十六日・清明祭・旧盆の料理

祖先祭祀は、乾肴と餅を対にした料理を供え、盛大に行われます。
「十六日」は、あの世の正月のことで、旧暦1月16日に行われます。

重箱料理

「清明祭」は、清明の節(旧暦3月頃)に行われる祖先供養の墓前祭のことです。
近年は、重箱料理のほかにオードブル・寿司・果物・菓子など各家庭の好みに合わせた食べ物が供えます。

「旧盆」は、旧暦7月13日~15日に行われます。祖先をウンケー(お迎え)する初日は、ウンケージューシーを供えます。

ウンケージューシー

このように、沖縄県では年中行事に合わせた料理を準備し、人々の健康や祖先への想いを馳せながら、家族と集う時間を大切にしています。


写真提供:日本調理科学会沖縄県支部会員

沖縄学習センター機関誌「キャンパスニライ」106号(2023年7月)より

公開日 2023-08-23  最終更新日 2023-08-23

関連記事
インターネットで
資料請求も出願もできます!