放送大学で学ぶきっかけは、60代半ばの頃、リカレント教育というフレーズを知ったことでした。そしてこれまでを振り返ってみたときに、何かやり残したことはないか、やりたいと思っていてもできなかったことはないかと考えるようになり、そして思い出したことがありました。
今から55年前、私が高校3年の頃、たまたまつけたテレビで、「日本はこれからコンピューター時代に入る」という番組を見て大きな衝撃を受けたことです。そして大学進学ではなく、コンピューターのことを学ぶ学校に入学したい気持ちが強くなり、両親に相談したところ「大学に行きなさい」と猛反対されたこと、それでもわがままを通しコンピューター学院に入学したことなどです。卒業後、私はキーパンチャーの仕事に就きました。
その当時のコンピューターは、磁気テープ・カードリーダーで入力し、データーの確認はパンチングの穴をひたすら確認という今では考えられない作業をしていました。充実していましたが、両親に申し訳なかったという想いは月日が経ってもずっと私の頭の片隅に忘れることなくありました。両親が健在の内に大学を卒業できたと伝えたい気持ちが募っていたとき、目に入ったのが放送大学の素晴らしいキャッチフレーズ「学びたい!それが入学資格です」。このフレーズに惹かれ入学を決意いたしました。
放送授業が受けられない時インターネット配信があることは、とても安心できます。面接授業は、素晴らしい専門分野の先生方から直接教えをいただくことができる、とても充実した内容と時間です。学生であることを改めて認識できる時間でもあります。沢山の科目の中から、新しいことにチャレンジすることは、少し勇気が要りますがワクワク感も味わえます。
「人間と文化コース」卒業時には、母に報告ができました。昨年「情報コース」を卒業し、現在は「社会と産業コース」を学習中です。自分の限りある時間を有効に活用することを考え、「なりたい自分を自分自身でデザインする」生き方をライフワークといたし、無限の可能性がある放送大学でこれからも学び続けていこうと思っています。
プロフィール
1951年 島根県松江市生まれ
2017年 教養学部 「人間と文化」入学
2021年 教養学部 「人間と文化」卒業
2021年 教養学部 「情報」入学
2023年 教養学部 「情報」卒業
2023年 教養学部 「社会と産業」入学
※2024年4月8日 本誌掲載の記事です。
公開日 2024-05-28 最終更新日 2024-05-28