【学生の声】「私の卒業研究の取り組み」清水春仁

定年退職後の余暇を有意義に過ごすことを考え、2015年に放送大学に入学しました。
放送授業は興味のある科目をじっくり勉強でき、自分に合った学習方法であると感じています。
また、面接授業では同じ分野に関心のある仲間と交流する機会があり、毎回楽しみに参加しています。

放送大学では他に卒業研究と言う学習形態があります。
卒業研究は自分でテーマを見つけ、そのテーマにふさわしい研究方法を模索し研究の成果を報告書にまとめ上げるという、主体的な学習です。私は2023年度に卒業研究を履修しましたので、その取り組みについて紹介します。

放送大学で履修した科目の中で、特に興味を持ったのは日本語学関係のものです。
その中でも特に「ら抜き言葉」に興味を持ちました。
「ら抜き言葉」は言葉の変化としては合理的で自然な現象であると考えられていますが、我々はその言葉の変遷の真っ只中にいる歴史の目撃者なのだと言うことを実感したとき、言い難い感動を覚えました。「ら抜き言葉」の日本全体における現在の実態を把握することは重要であると考え、「ら抜き言葉」の定量調査を卒業研究のテーマにしました。

卒業研究を履修するのにあたり、論文を学術的に意義のあるものにすることを目標としました。そのために、収集するデータの地域網羅性を確保すべく独自のデータ収集方法を考案しました。
またデータサイズが統計的処理に耐え得るレベルになるよう、卒業研究を履修する前、2年かけてデータ収集を行いました。
更に日本語コーパスの調査や統計データ分析など自身として新たなワークにも取り組み論文を完成させました。指導教員からの勧めで学会発表も行ったので、論文を学術的に意義のあるものにするという所期の目標が達成できたと考えています。

皆さまにも是非、卒業研究の履修をお勧めします。
卒業研究の意義や取り組み方については各履修生で様々であると思いますが、卒業研究を履修することにより、きっと新たな経験が得られると思います。


プロフィール

清水春仁(しみず はるひと)

1958年 秋田県生まれ
2015年 放送大学へ全科履修生として入学1
2018年 会社を定年退職
2023年 卒業研究を履修1
     研究テーマ「一段動詞・カ変動詞におけるら抜き現象の定量調査
    -TVニュースからの標本抽出による-」
2024年 社会言語科学会第48回大会にて論文発表、発表論文集pp.135-138
         現在在籍中

※2025年1月13日発行 文部科学教育通信「私の放送大学」掲載の記事です。


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