【学習センター機関誌から】卒業生・修了生代表謝辞 - 愛知

社会と産業コース
宮木 歩美

本日は、私たち卒業生・修了生のために学位記授与式の開催とご臨席を賜り、誠にありがとうございます。根本所長はじめ、学びを支えてくださった全ての方に深く感謝申し上げます。卒業生・修了生を代表して、謝辞を述べさせていただきます。

私は若い頃に大学進学を希望していましたが、経済的な理由から高校卒業後に就職をしました。そして、会社生活が30年を過ぎた頃、何度か大学で講義をする機会がありました。業務とはいえ、学位のない私が講義をしても良いのだろうか、と感じたことをきっかけに、大学で学びたいという思いが再び芽生え、定年後は学位取得を目指そうと決意しました。そんなある時、放送大学の卒業生でもある社内の大先輩が「放送大学なら自分のペースで学べて仕事と両立できる。定年後なんて言わないで、学ぶ気持ちがあるなら早く始めるべきだ。仕事や今後のキャリアにもきっと役に立つよ。」と語ってくれました。その言葉が心に響き、それから2か月後の平成31年4月、50歳で私は放送大学の学生となりました。

1年目は、仕事と遊びと学業とのバランスがうまく取れず、単位認定試験の直前は勉強に苦労しましたが、同時に久しぶりに試験前の緊張感を感じた時間でもありました。コロナ禍は、在宅勤務が始まり学習時間も増え、単位を集中的に取得する期間となりました。対面での面接授業が再開してからは、興味のある歴史や文化の講座を受講するため東京の学習センターにも何度か通いました。最終年の5年目は、大先輩からの勧めもあり卒業研究に取り組むことを決めていました。テーマの選定から調査やインタビュー、論文にまとめるまでの過程は苦労もありましたが、とても充実した時間でした。この卒業研究は、私の視野をさらに広げる大切なステップとなりました。2週間ごとに指導教授との面談時間を確保するため、50代の現役女子大学生と自虐的に公言し、職場仲間から理解と協力を得ていました。同時に私の学び続ける姿は、周囲に良い刺激を与える存在になっていたのではないかと思っています。

社会人のリスキリングが求められる昨今では、さまざまな学習プラットフォームが存在していますが、放送大学は私にとって最高の学びの場であり、その想いは今も変わりません。放送大学を勧めてくれた大先輩と卒業研究を熱心にご指導いただいた名古屋市立大学の鵜飼先生をはじめ、これまで支えてくださったすべての皆さまに深く感謝します。私は今日、その皆さんのおかげで、こうして卒業生・修了生代表として謝辞を述べることができています。今日が卒業であるとともに、新たな学びのスタートとして、放送大学での経験を活かしながら、視野を広げて知識を深め、社会に貢献できる人間として成長し続けたいと思います。

最後になりましたが、今後の放送大学および愛知学習センターのさらなるご発展と皆さまのご多幸を願い、謝辞とさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。


愛知学習センター機関誌「しりあい」128号(2024年7月発行)より


関連記事
インターネットで
資料請求も出願もできます!