アインシュタインに憧れて
教養学部 自然と環境コース
小川 雅由
生涯学習という言葉を耳にするようになってから何年経つだろうか。私の意識の中にこの言葉が定着したのはここ数年のことのように思える。そして、生涯学習イコール放送大学となったのは定年を過ぎた時であった。
生涯と名の付く以上、やるからには本物の学問がしたかった。そして、それは私にとって自然科学であり、アインシュタインであり、相対性理論であった。100年前のこの天才物理学者を理解するため放送大学で自然と環境コースを専攻し、数学・物理・天文学の科目を受講した。定年後の私にとって講義はハンディゼロの真剣勝負だった。加齢に伴う目の衰え、思考力の低下には一切妥協なし。講義についていけるか、内容が理解できるか否かそれだけ。その意味では私は劣等生だった。しかし、それがかえって心地よかった。
各科目の講義は本格的で本当に素晴らしかった。ここまで6年もかかったが、私が追い求めた知の巨人の姿ははるか遠くにぼんやりと見えるに過ぎない。今後も勉強を継続する必要があるだろう。
とりあえず、自然と環境コースを卒業することになるが、生涯学習には卒業というものがないような気がする。そう言えば、プロ野球のレジェンドが言った言葉とよく似ている。
「生涯学習において放送大学は永久に不滅です。」
学ぶ楽しさを実感できた修士論文
2023年度第2学期大学院文化科学研究科 臨床心理学プログラム修了
島田 啓司
私が心理学を学ぶことを決意したのは、教員を定年退職し教育支援センターで働き出したことがきっかけです。教育支援センターには不登校の子どもたちが通ってきます。不登校の子どもたちに接するうちに発達障害等の疾病や心理療法について専門的に学ぶことにより子どもたちに寄り添ったカウンセリングや支援ができるのではないかと感じるようになりました。そこで放送大学の臨床心理学プログラムで学ぶことにしました。
修士論文では、不登校の生徒とその母親の心理回復過程について研究しました。コロナ禍のためゼミもZOOMでの開設となりましたが、指導教授の熱心な指導のもと研究を進めることができました。研究は半構造化面接によるインタビューを中心にまとめました。インタビューの文字起こしの量が膨大となり、まとめが大変でしたが、今となっては楽しい思い出です。教員をしている時に大学院研修で教育学修士を取得しました。その時の経験が支えとなりました。今回も研究はやりがいがありました。
群馬学習センター機関誌「上州」90号(2024年5月発行)より
公開日 2024-07-26 最終更新日 2024-07-26