『放送大学エキスパート』について紹介する本特集。今回は前回の記事に続き、放送大学YouTubeチャンネルの特別番組「職場や地域で活躍したい人へ~放送大学エキスパートガイド~」から、実際に認証状を取得した方々をご紹介します。
※放送大学エキスパートとは、「心理学」「福祉」など、特定の分野に応じた20のプランごとに、それぞれ定められた単位を取得すると『認証状』を取得できる制度。履歴書にも記載でき、専門性を高めた学修の「証」の一つとなる。
日本文化を伝える国際ボランティア・ガイド(基礎力)養成プラン
エキスパート認証状を取得した三人目が、東京都内で外国人観光客のガイドとして活躍する塩見さん。
塩見さんは、かつて通訳ガイドの勉強をしている時に、選科履修生として放送大学の英語科目を中心に履修を始めました。
学生になって間もなく、放送大学エキスパートに『日本文化を伝える国際ボランティア・ガイド(基礎力)養成プラン』が加わったことで、1年足らずで認証状を取得しました。
塩見さんはエキスパート制度の意義に関してこう語ります。
「こういった指標がないと、どうしても自分が興味ある科目だけしか履修しなくなりますが、エキスパートの制度があったことで広く知識を得ることが出来たと思います。」
今回の取材時に塩見さんと待ち合わせたのは東京浅草。コロナ禍で外国人観光客が減ったものの、かつてはこの浅草やお台場などで外国人観光客向けにガイドの活動をしていました。
『通訳ガイド』と私たちが聞くと、「英語や歴史の授業をたくさん履修したのだろうな」と思ってしまいがちですが、塩見さんはさらに本質的な視点で学びを深めました。
「特に役に立ったのは『コミュニケーション』の授業科目ですね。海外から来た方々を案内するとなると、文化や歴史の話よりも前に、まずは相手とのコミュニケーションを取らなくてはいけません。その意味で、学問的にコミュニケーションの成り立ちを知れたことは大いに役に立ちました」。
塩見さんのコミュニケーションを大切にする姿勢は、接する外国人の方々の表情からも感じ取れますね。
データサイエンスプラン
最後にご紹介するのが、IT企業に勤めるシステムエンジニアの山田さん。
山田さんは社会人2年目の2019年、放送大学情報コースに編入されました。入学のきっかけについて次のように語ります。
「プロジェクトを進めていく中で、一緒に仕事をする相手との専門知識の差を感じるところが多々ありましたが、『自分はまだ知識が足りないから、概ね相手の言っていることが正しいのだろう』という発想になりがちでした。そこで学部水準の学習から始めようと思ったのです」。
山田さんは放送大学情報コースでの学びを深めながら、卒業後に『データサイエンスプラン』(現在は廃止、アップデート)の認証状を取得しました。
「例えば社内で新規プロジェクトに手を上げようとした際に実務経験やスキルを提示する必要がありますが、この認証状は一種の社内向けスキル証明に使用できました」。
さらに山田さんは『データサイエンスプラン』だけでなく、『計算機科学基礎プラン』『ものづくりMOTプラン』『 人にやさしいメディアデザインプラン』と複数の認証状を取得。
「データサイエンスプランでは、認証状の必修科目に即してデータ分析の様々な手法の一連の流れが網羅的に理解できたというのが非常に良かったです。さらに複数のエキスパートを取得したことによって自分の自信にもなりましたし、職場にも自分のポテンシャルを示せたことから非常に価値がありました」と山田さんは語りました。
なお、『データサイエンスプラン』は2021年に廃止。アップデートをする形で次の2つのプラン、つまり『データサイエンスリテラシープラン』(認証状:データサイエンス・リテラシー)、『データサイエンスアドバンスプラン』(認証状:データサイエンス応用基礎)が新たに追加されました。これら2つのプランは文部科学省が認定及び選定する「数理・データサイエンス・AI教育プログラム」に認定されています(令和9年3月31日まで認定有効)。
ここまで2回にわたって、『放送大学エキスパート』の認証状を取得されてきた方々を紹介してきました。
「学んだことを、どう実践につなげたらいいのだろう」
「専門的に学んだということを、対外的にどう伝えたらいいのかな」
そう考えたことがある方は、ぜひ学びの指標の一つにしてみてください。
◆本編は『特別番組 職場や地域で活躍したい人へ~放送大学エキスパートガイド~』でご覧いただけます。
◆科目群履修認証制度「放送大学エキスパート」の詳細はこちら。
公開日 2023-02-17 最終更新日 2023-02-17