【学習センター機関誌から】6 度目の卒業を迎えて

 教養学部 情報コース
卒業生代表

堀由美子

9月になり長い酷暑の季節が過ぎ秋風の吹く本日、私達は放送大学を卒業することとなりました。この佳き日に卒業証書・学位記授与式を挙行して頂き、卒業生を代表しまして心からお礼を申し上げます。本当に有難うございます。卒業生を代表して、一言お礼の言葉を述べさせていただきます。

入学しました21年前は何事にも一生懸命な先輩や同級生がたくさんおられ、楽しい雰囲気があふれておりました。サークルもあちこち訪問して楽しかった思い出が満載です。3度目の入学を果たした途端に事故にあい、手足の手術をして3カ月の入院後リハビリに励みながらの学生生活は大変でした。その後に母が脳梗塞を患い87日の入院後、在宅介護の始まりとなりました。

それからは、介護とフルタイム勤務と自治会の役員、サークルの会長、家業などといった何足もの草鞋を履いて睡眠時間2~3時間の生活を送っておりました。4度目の入学後は車椅子の母と石川・岐阜・福井・長崎へと面接授業に出向いて楽しかったことが脳裏に刻まれております。試験の時も母を連れて行き、学生控室で待たせて30分間全力投入で受験していたことも今では良い思い出です。そんな余裕のない生活でしたから試験勉強もはかどることもなく、「貴女のテキストは角で手を切るほど綺麗だね」と言われることも度々でした。まず試験勉強と言えば当日の試験が始まる前の1時間ほどでテキストを200ページほど真剣に読み込むといった状況でした。

それでも何とか卒業をした4度目の卒業式には母同伴で参列させて頂きました。コロナ禍で迎えた5度目の卒業、そしてその後も母の温かい応援や友人の励ましにて、今回6度目の卒業をし、名誉学生となりましたこと私の財産となりましたし、10年間介護をやり切った自分を誇りに思います。

残りの人生は放送大学で学んだこと、体験したことを心に刻みゆっくり楽しく歩んでいきたいと思います。最後になりましたが、ご指導賜りました諸先生方、ご支援いただきました皆様に感謝申し上げるとともに、放送大学の学びの進化と滋賀学習センターの益々のご発展、皆様のご健勝を祈念致しまして、謝辞といたします。

末尾にはなりますが、入学当初センターの所長をしておられ大変お世話になりました、板坂修 様が本年4月に天寿を全うされました。
ここにご冥福をお祈りいたします。有難うございました。


滋賀学習センター機関誌「樹滴」129号(令和5年10月発行)より掲載

公開日 2023-12-22  最終更新日 2023-12-22

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