【新任所長挨拶】就任のご挨拶(長野学習センター所長・大塚 勉)

長野学習センター所長 大塚 勉 

このたび、前任者の村上好成先生の後任として放送大学長野学習センターの所長を拝命しました大塚勉と申します。

令和2年度まで、信州大学の全学教育機構などで教育と研究に携わってきました。専門は、地球に関する科学分野の一つ「地質学」です。とくに構造地質学という分野で、プレートの沈み込みによって作られる地質体の研究、さらに活断層の研究を行ってきました。野外を歩いて地質のでき方を考えるというのが、私の基本的な研究スタイルです。この山を歩いて調べる調査は今も続けています。とくに最近では、活断層が多い信州にあって、地震災害や土砂災害に対する知識の普及に努めています。

教育面では、学生が学ぶ専門領域を超えて広い範囲の知識を高める共通教育に携わってきました。学生は、ともすると自分が専攻する分野の勉強だけで終わってしまう傾向があります。将来さまざまな社会現象に接するとき、またいろいろな場面で判断が求められるとき、多様な知識の引き出しが備わっていると、深い理解のもと、より良い判断をすることに繋がります。何よりも、学びの結果、過去とは異なる自分に気がついた時に喜びを感じることでしょう。

放送大学では、これまでの教育経験を役立たせてゆきたいと考えています。

ここで放送大学長野学習センターの歴史を紐解いてみましょう。その前身である「諏訪地区学習センター」が地元の熱い要望をバックに立ち上げられ、254名の学生を受け入れてスタートしたのが昭和62年のことでした。資料によると、このタイミングは、関東地区以外の各地域の学習センターでは最も早い時期に当たり、長野県の学習意欲がいかに高いかを物語っています。

その後、毎年コンスタントに多くの学生を受け入れるとともに、信州大学、長野看護大学、松本大学、清泉女学院大学、佐久大学、公立諏訪東京理科大学との単位互換を実現してきました。その間、長野市との連携のもとに「長野ブランチ」も設置されました。現在(令和3年度第1学期)では、教養学部と大学院を合わせて980名を超える学生が学んでいます。

学習する際に利用する媒体も、FMラジオ、テレビ(地上波からBSデジタル)、ビデオ、インターネット配信と、刻々と時代に合わせて進化してきました。もちろん、従来型の面接授業も効果的に運用されています。時の話題を取り上げる講演会も毎年行われるようになりました。

現在、新型コロナウィルス感染症の蔓延で、教育現場ではいろいろ不自由を強いられています。このような状況下でも、インターネット配信が実現していた放送大学の授業は耐性を発揮したのではないかと思っています。

このような流れを受け継いで、新たに皆様に学習の機会を提供することになります。放送大学には、スキルアップを目指すリカレント教育や、教養を高め知的生活を豊かにするなど、いろいろな動機で受講していらっしゃることと思います。これまでの経験を生かして、皆さんの学習に対する要望をくみ取り、専門教育と教養教育の両面で学びのお手伝いをさせていただきます。


長野学習センター機関誌「アルプス」第116号(令和4年4月)より

公開日 2022-05-18  最終更新日 2022-11-01

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