コラムOUJより 「離婚後の養育費を考える」 下夷 美幸 教授

放送大学の様々な情報を映像でお届けする「放送大学キャンパスガイド」の『コラムOUJ』では、専任教員が毎回1つのテーマで語っています。

コラムOUJ 2023年1月号②には、下夷美幸教授(生活と福祉コース)が登場。専門は家族社会学と家族政策論。生活保障の観点から、家族と国家の関係を研究しています。
今回は、「離婚後の養育費*を考える」をテーマに、日本の「養育費」の現状と、様々な取り組みについてお話しいただきました。

養育費については、夫婦が離婚をする際に取り決めることが必要ですが、協議離婚**の場合は取り決めをしないまま離婚する夫婦が少なくないと言います。このように、裁判所を通さなければ離婚ができない海外の離婚制度に比べると、日本の協議離婚は世界でも珍しい離婚制度と言えるとのことです。

また、日本社会のジェンダー格差が要因となり、母子世帯が経済的に厳しい立場に置かれる現状があると下夷先生は話します。

そして、養育費についての問題は日本だけではなく、どこの国でもその確保が課題になっていると言います。そこで、養育費確保に取り組むアメリカや北欧諸国などの政策を紹介し、日本の養育費問題の課題を考えます。

最後に、下夷先生は養育費について次のように語ります。
「子どもたちの未来を左右する養育費について、当事者だけでなく私たち大人が問題を理解して関心を寄せることが大切です。そのような大人が一人でも多くいることが、政府の進める政策を前に進める力になります。」

*離婚後の養育費:子どもと別れて暮らす親が負担する子どもの生活費。 **協議離婚:夫婦で話し合いをしてお互いに離婚に合意したら「離婚届」を役所に提出すると離婚が成立するという離婚。

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下夷 美幸 教授のプロフィールはこちら

公開日 2023-03-17  最終更新日 2023-03-17

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