【学習センター機関誌から】2023/10/22学生研修旅行記(佐賀学習センター)

激動の明治の歴史を学ぶ ~学生研修旅行記~ 全科履修生 永原 孝則 

大牟田市石炭産業科学館にて
田原坂西南戦争資料館にて

新型コロナウイルス感染症の世界的大流行で見送られていた学生研修旅行が、4年振りに再開された。今回は、日本産業の発展を支えて来た炭鉱と近代日本の出発点ともなった西南戦争の史跡を訪ねて、「激動の明治の歴史を学ぶ」がテーマ。

顔馴染の方を含む25名の参加があったが、ほぼ全員がマスクを着用し、車中での自己紹介も省略されるなど、コロナへの不安は未だ影を落としていた。
でも、数十年前の修学旅行を追体験出来るバス旅行というものは、やはり楽しい!

最初の研修先は「大牟田市石炭産業科学館」である(なんと隣が帝京大学福岡キャンパス)。
館内を2班に分かれて見学。白眉の展示は、人力に代わって坑内作業を支えた巨大な機械類で、掘進機、採炭機、自走枠、電気機関車など。実際に作動した迫力には驚いた。傍らの作業員の人形も本物のようにリアルだった。
集合写真を撮った後は、世界遺産宮原抗、旧長崎税関三池税関支署を巡る。
石炭産業が明治以降の日本の近代化、工業化を支えて来た歴史の一端を改めて学ぶことが出来たが、戦闘機や軍艦の材料である鉄の生産や燃料に不可欠な戦略物資として戦争に貢献したことや、爆発事故などで多くの犠牲者が出たり今も後遺症に悩む人がいるなど、負の側面もあったことは忘れてはならないと思った。
昼食は、創業約70年の料亭「新みなと」。お吸い物が食べ終わった頃に出て来る珍事もあったが、上品な美味しいお弁当だった。

午後は、約1時間の移動をして「田原坂西南戦争資料館」と周辺の散策。先ずは記念撮影をして、ここでも2班に分かれたが、A班のガイドF氏は、「見て来たような嘘を言う」講釈師さながらの軽快な口調で、国内最後の内戦の顛末を物語るので、ついつい引き込まれてしまう。ガイドが「あそこですよ」と指差した、軽自動車が通っていた緩やかな細い坂道(田原坂)は、西南戦争最大の激戦地となって17昼夜に亘り戦闘が繰り広げられたそうだ。その激しさを体感出来た「体感展示室」は圧巻であった。砲弾の着弾音・振動や小銃弾の飛来立体音が響き、まるで戦場に投げ込まれたような臨場感に恐怖さえ感じる。ウクライナやガザ地区で逃げ惑う人々に思いを致し、平和の有り難さを再認識したところである。
稔り多い研修旅行で、貴重な勉強をさせて頂いた。佐賀学習センターの皆様に感謝である。

田原坂西南戦争資料館 「体感展示室」にて
田原坂西南戦争資料館 「アプローチ展示室」にて

佐賀学習センター機関誌「バルーン」第106号(2024年1月発行)より

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