
正直に言うと、入学して即、放送大学の良さに気がついたわけではありません。昔から「有名大学に進学したい」「同級生とキラキラしたキャンパスライフをすごしてみたい」願望があった私にとって、放送大学での学習生活はなんとも地味に思えたのです。しかし、試験を一つずつクリアして修得単位数が増えていくこと、現役の大学教員の方々による面接授業を受けること数年を経て、徐々に認識が変わっていきました。
思い返せば、中・高時代は心身の不調に振り回され、自分のやりたいだけの量の学習ができませんでした。授業にしても、中学以降はほぼ参加できず。小学生時代は周囲の圧に押されて自分の意見を発表することがとても怖かったです。しかし、放送大学ではそれらの制約が無く、純粋に勉強に集中することができました。自分が納得できるだけ勉強ができる学習システム、安心して自分の意見を発表できる授業空間、私が本当に求めていたものはすぐ側にあったのです。
私のように、学習意欲はあっても自分の特性や体調によって、一般の大学とは合わない方は一定数いるのではないでしょうか。そうした「進学難民」の受け皿としての放送大学がもっと周知されてほしいと願ってやみません。学習の達成感、学友と共に学ぶ喜びを、それを求めてあがく人々に享受してもらいたいのです。微力ながら私も、周囲の大学進学に興味のある方に勧めています。
知識だけでなく、幸せのあり方を教えてくれた放送大学、そして卒業まで支えてくれた方々、本当にありがとう。今後は、大学での学びを糧に、小さなことからでも社会に貢献することを目標に日々を過ごしていきます。心からの感謝を込めて。
プロフィール
南野 花奈(みなみの かな) 放送大学 石川学習センター所属
勉強自体は嫌いではないものの緊張しやすく、クラスに馴染めない小学生時代を過ごしました。中一で不登校になり、普通高校に進学しましたが、すぐに体調を崩し通信制への転校を余儀なくされました。高校卒業後の進路に悩んでいたところ、母のいとこが紹介してくれたのが放送大学です。当時は大学受験を希望していたので抵抗があったのですが、心身の不調と当時の家庭状況もあり入学を決めました。
※2025年6月9日発行 文部科学教育通信「私の放送大学」掲載の記事です。