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高校を卒業後、経済的な理由で進学を断念し、そのまま社会人として働き始めました。30代後半、気持ちにも経済的にも余裕が出てきた頃、ふと「大学で学びたい」と思うようになりました。そのときに出合ったのが放送大学でした。
最初は選科履修生としてスタート。学ぶほどに新たな興味が芽生え、面接授業で出合った先生に卒業研究を見てほしいと思い、「心理と教育コース」を卒業後、「社会と産業コース」に再入学しました。
その卒業研究では「住宅購入と株式投資のどちらが資産形成に有利か」を研究テーマに選びました。何がわからないのかわからない状態で、頭の中がぐるぐる回る日々。先生には「迷える社会人は楽しみながら苦しんでいます」と、よくこぼしたものです。先生は、そんな僕を根気強く支えてくれました。振り返ると、あの時間はとても楽しく有意義なものでした。
働きながらの勉強は想像以上に大変で、車通勤の時間を活用してラジオ科目、テレビ科目はランニングマシンの上で視聴。単位認定試験前は眠い目をこすりながら教科書を開きました。卒業研究は、差し迫る期限に追われながらも、なんとかやり遂げました。時短家電を活用したことで家事の効率が上がったことは思わぬ副産物です。
「僕はいったい何のために勉強しているんだろう?」と思うことがあります。今でも、はっきりとした答えは出ていません。けれど、以前よりも自分の考えや感じていることを客観的に見られるようになりました。政治や経済のニュース、職場や身近な人間関係の悩みも、違った角度から考えられるようになりました。
そう、放送大学での学びは、僕の「生きる力」につながっています。
社会人の学びに興味があるなら、通信制大学という選択肢を知ってほしい。きっと、新しい景色が見えてくるはず。学びは、人生に寄り添い、よりよく生きるヒントを与えてくれるもの。放送大学で学び続けた今、そんなことを実感しています。
プロフィール
宮城 克志(みやぎ かつし) 放送大学沖縄学習センター所属
沖縄市(コザ)出身。高校卒業後アメリカへ。
帰国後、米軍基地に就職。キャリアアップのため、働きながら放送大学で学び始める。
2016年 心理と教育コース入学。
2023年 同コース卒業。社会と産業コース入学。
2025年 同コース卒業。生活と福祉コース入学。
※2025年5月12日発行 文部科学教育通信「私の放送大学」掲載の記事です。