私が放送大学を知ったのは、友人が放送大学のパンフレットを送ってくれたことによる。
福井学習センターは関東よりも開設が遅かった。福井にも開設されるから、受講してみたらどうかという誘いだった。
数年間、頭の片隅において、2003年に私は「産業と技術コース」に三年次編入で入学した。
入学式の麻生副学長のあいさつは、私にとってとてもインパクトがあった。今でもよく覚えていることは、卒業研究にチャレンジして、卒業後は放送大学に限らず大学院修士課程を目指してほしいという趣旨だった。
この日が私にとって、終わりのない新しい学びの出発となった。
私は、「産業と技術コース」を卒業後、地元の公立大学の夜間に開設された大学院で、「地域国際経済学専攻コース」、引き続き「社会福祉学専攻コース」で学んだ。私は放送大学での卒業研究の重要性を実感した。
私にとっての放送大学は、自分の目の前に現れた問題やテーマについて、勉強し解決するための手立てとして有益だった。
仕事に関連するテーマであったり、母親の認知症に関することであったりと、次々と目の前に解決しなければならないテーマが出てくる。
放送大学は実に幅広い領域の学問をカバーしているため、必要な知識を得られる。生涯いつでもどこでも誰でも、知を求める人には誰にでも与えられる大学だ。
放送大学には、大学の理念をよく表している素晴らしい「学歌」がある。時々、私も口ずさむ。
「……われらはまなぶ 世界を 自分を
われら どこから来て どこにゐるのか
生きることはまなぶこと まなぶのはたのしみ
知は光 みどりの未来を展くため
いつでも どこでも
見えない友と 共に生き 共にまなぶ
開かれた大学 放送大学」
という詞がある。
人は一人では生きていけない。
生きていく上で自分の立ち位置が不安定になったり、自信がなくなったりすることがあるものだ。
そんな時、勇気づけてくれ、背中を押ししてくれるのがこの学歌であり、放送大学である。
プロフィール
志田 佳明(しだ よしあき)
1955年 福井県あわら市生まれ 同県鯖江市在住
2003年 放送大学 産業と技術コース三年次編入学
2005年 産業と技術コース卒業
2014年~2022年 社会と産業コース・ 生活と福祉コース・ 心理と教育コース・ 情報コース・ 自然と環境コース卒業
2022年 人間と文化コース入学、 大学院(修士選科生)入学
趣味:ウォーキング、合唱(第九)
※2022年11月14日 本誌掲載の記事です。
公開日 2023-01-20 最終更新日 2023-01-20