私が放送大学に入学したきっかけは、当時仕事で担当していた車載情報機器のヒューマンインターフェースを評価するための基礎知識として、人間工学や認知心理学を学びたかったためです。
ヒューマンインターフェースは、人間の行動と心理の特性に合わせて設計することで使いやすくなるからです。
2010年代には、この分野の専門家である黒須正明名誉教授や同僚の講師の先生方によって開設されたヒューマンインターフェース関連授業を受講することで、学びをより深めることができました。
放送大学でなければ、地方在住の社会人にこのような学びの機会はありませんでした。
入学当初に所属した「発達と教育」専攻には、第3年次への編入学でしたが、それでも5年かけての卒業となりました。仕事や子育てに追われて学習時間の確保に苦労しましたが、心理学を体系的に学ぶ満足感は心地良いものでした。
大学で学ぶなら卒業研究にも取り組みたいと考え、2回履修しました。調査・研究と論文執筆に多くの時間が取られましたが、学びを深める貴重な機会でした。
ご指導くださった岩永雅也学長、福島学習センター千葉悦子所長に謝意を表します。
私にとって放送大学は図書館のような存在です。学びきれない多くの知識が体系立てられていたり、興味や関心を持った本を自由に手に取り読めるところが似ています。
私が放送大学に在籍し続けているのは、学びたい授業が次々と出てくるからです。時間さえ許せば興味の赴くままに学び続けたいと思っています。
放送大学の講師は、その領域の第一線で活躍されている研究者が担当され、「このような方たちに教えてもらえるのか」といつもわくわくしながら学んでいます。授業が始まると講師の熱意にいつも引き込まれます。
初学者にも理解でき、かつ質の高い授業は、様々な工夫が盛り込まれているのだと思います。魅力的な授業のおかげで長い間学び続けられたことを、講師の先生方に感謝いたします。
年齢や学歴、社会での経験、デジタル活用能力などが異なる様々な人たちに、放送大学が多様な学びを提供し続けることを期待しています。
プロフィール
宍戸 博 (ししど ひろし)
1963年福島県いわき市生まれ。車載情報機器メーカーに勤務しています。
1998年に「発達と教育」専攻に入学しました。
2003年に卒業し、合わせて日本心理学会から「認定心理士」に認定されました。
その後2コースを卒業し、現在4コース目の「人間と文化」に在籍しています。
趣味は地域の人たちが出演する演劇公演や音楽演奏の鑑賞と、日帰りの散策旅行です。
※2022年5月23日本誌掲載の記事です。
福島学習センター・いわきサテライトスペース https://www.sc.ouj.ac.jp/center/fukushima/
公開日 2022-07-15 最終更新日 2022-12-06