【新任所長挨拶】『放送大学の魅力』 秋田学習センター所長・倉林 徹

秋田学習センター所長 倉林 徹

4月1日付けで秋田学習センター所長に就任致しました倉林 徹です。よろしくお願い申し上げます。
まずは自己紹介させていただきます。私は東北大学工学部電子工学科卒業、および同大大学院博士課程を修了後、仙台の(財)半導体研究振興会での研究員、東北大学大学院工学研究科での助手・講師、岩手県立大学教授などを経て、2011年3月に秋田大学大学院工学資源学研究科の教授として、約36年間教育研究に携わりました。
専門分野は大まかに5年ごとに変化してきました。これは私の研究の経歴において3件の国家プロジェクト(各5年)に研究員として参加したことも関係していますが、これらの経験は今では大きな財産であると感じております。

初めに行った研究は、GaAsという半導体の有機金属気相成長法という当時世界中で着目されていた結晶成長方法で、なぜ良質のGaAs結晶ができるのか?その原理がわかっていなかったことから、その反応機構を実験により調べ上げるというものでした。化学メーカーや装置メーカーと共同研究を行いながら、赤外分光分析と質量分析装置などを用いて、約5年かけてその反応機構の全容を解明しました。
そのあとの5年は解明した結果を応用してGaAs基板表面で起こる反応を選択的に制御してGaAsを1原子層ずつ結晶成長させるというものでした。そのあとの5年は開発した原子層成長技術を利用し、テラヘルツ周波数帯で増幅動作可能なトランジスタと、テラヘルツ帯で発振するダイオードの開発等、秋田に来てからの12年間はそのテラヘルツ周波数帯の電磁波を用いた様々な分析や生体計測に関する応用研究を行いました。

研究分野が変化するたびに、新たな分野の専門書や論文を読みあさり、国際学会に参加して最先端の情報を取り入れ、自分の思考の中に多くの情報を整理して定着させ、そこで漸く独自の研究テーマを見出してスタッフや学生と討論を繰り返しながら研究を進めていくのですが、この過程に醍醐味を覚えました。納得のいく結果が出たときは論文投稿や学会発表し、一時の満足感を感じつつも、すぐにまた新たな課題を設定し取り組んでゆくということの繰り返しでした。
このような取り組みのなかで国内外の研究者との連携、大学内の教職員や学生との連携、行政関係の職員の方々のサポート等、様々な人に支えられ、研究を進めることが出来ました。

放送大学で学ぼうとしている皆様にも同様の多くの「支え」を得ることが可能だと思います。放送大学は卒業すると学位が貰える正規の大学でありながら、他の大学とは異なる魅力を持っていることは、大学案内等でご承知のことと思います。そこには6つの理由が上げられています。
一つ目は、テレビ・ラジオ・インターネットやケーブルテレビ等、多様なメディアを通じて、自身が都合の良い時間や場所で学べることです。二つ目は、各分野でトップクラスの講師陣による授業を受講できることです。三つ目は、大学を卒業したい・学位を取得したい・資格を取得したい・好きな科目を学びたい等、皆さんの多様な目的に応じて学べることです。四つ目は、大学卒業資格を取得するまでにかかる費用が、入学金を含めてもリーズナブルな価格であることです。無料放送ですから視聴環境が整えば、受信費用もかかりません。五つ目は、放送大学の学生であれば、全国の学習センターで開講される面接授業を受講することが可能なことです。「面接授業開設科目一覧」に掲載されている、多彩な講師陣による開講科目は注目に値します。六つ目は、学生サポートセンターによる修学サポート体制が整備されていることです。
放送大学の魅力はこれだけでは有りません。何処でも、誰でも、何時でも学ぶことが出来るように、全国に学習センターが設置されています。「ばっけ」をご覧の皆様は、秋田学習センターに所属し、ここで放送授業を視聴し面接授業を受けることができます。また、客員教員が学修相談に乗る体制も整えております。さらに、学生アドバイザーによる助言やサークル活動による交流も行われていますので、何時でも足をお運び下さい。

最後になりますが、秋田学習センターを活用し有意義な学生生活を送られますことを切に願い、巻頭の言葉とさせていただきます。


秋田学習センター機関誌「ばっけ」第101号より

公開日 2022-05-18  最終更新日 2022-11-01

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