放送大学の様々な情報を映像でお届けする「放送大学キャンパスガイド」の新コーナー「コラムOUJ」では、放送大学の専任教員が毎回1つのテーマで語っています。
コラムOUJ 2022年11月号①では、情報コースの加藤浩教授が登場。専門は教育工学です。
今回は、放送大学の面接授業で「プレゼンテーションの理論と実践」という科目を担当してきた加藤先生に、上手なプレゼンテーションの基本となる理論と秘訣を伝授していただきます。
はじめに、「プレゼンとは情報伝達ではなく対話である」というミハイル・バフチン*の対話論に基づいたプレゼン観を語ります。
通常私たちがイメージする対話とは、「人と人が向き合って言葉を交わす状況」ですが、加藤先生は「他者が発した声を自分の中に取り込み、それを踏まえた上で自分の声を発していることが対話である」と話します。
次に、対話型プレゼンテーションの方法について紹介します。
まず第一歩として、自分のプレゼンの内容に関するステークホルダーをなるべく具体的にイメージします。そして、自分の発言に対してその人々がどのようなことを指摘するか想像し、それに対抗するようにプレゼンを組み立てていきます。そうすることで、プレゼンの内容がより一層理解しやすくなり、説得力も増すと話します。
また、どのような人がどのような関心を持ってプレゼンを聞きに来ているのか、聞き手の情報を詳しく調べることも重要とのことです。
最後に、これから放送大学で学ぼうと考えている方へ、「放送大学では、衛星放送やインターネットを使ったメディア授業の他に、各地の学習センターで対面の面接授業も行っています。面接授業には、対面でないと難しい演習や実験、さらに歴史的遺物を見学に行くようなものも設定されています。いろいろな学び方が選べる放送大学は、きっと皆さんの学びたい意欲を満足させてくれると思います」と加藤先生は語りました。
*ミハイル・バフチン:ロシアの思想家・文芸学者。
公開日 2023-01-20 最終更新日 2023-02-21