放送大学の様々な情報を映像でお届けする「放送大学キャンパスガイド」では、「キャンパスプロファイル」として専任教員をご紹介しています。 2021年のキャンパスガイド5月号②では、2020年度に放送した「キャンパスプロファイル」から7名の先生方をダイジェストにご紹介します。
1.人間と文化コースの稲村哲也特任教授は、文化人類学、博物館学が専門です。
アンデス、モンゴル、ヒマラヤなど高地の牧畜文化を長年にわたり現地で調査、研究を行ってきました。先生が文化人類学の本格的な研究を始めたのは、大学院の博士課程のときに実施した2年間のペルー調査でした。
さらに先生が情熱を注ぐ、もう一つの活動である博物館活動も紹介します。1981年から6年半にわたり、野外博物館の設立と運営に関わったことがきっかけで、さまざまな展示を手掛けました。大工や曼荼羅の絵師をネパールから招き、現地の寺院をモデルに建設した仏教寺院を例に挙げます。博物館は、歴史や文化を学ぶ場として、また、交流の場として大きな役割を果たすと、稲村先生が抱く夢を語りました。
動画(1:52~5:24)
2.情報コースの葉田善章准教授の専門は、情報工学と教育工学です。
さまざまなものから得られるデータの分析と改善を行い、教育の分野ではビッグデータを用いた学習解析に取り組んでいます。
葉田先生は、IoTが「もののインターネット」と呼ばれ、ものがつながるという部分が最も重要だと話します。身近にあるものを、どのようにネットワークにつなげ、どのようにデータを吸い上げ分析するのかが重要だと、IoTの役割に注目しています。
このようなビッグデータを教育の現場で生かすための研究を進めている葉田先生が、今取り組んでいるのは、オンライン授業での学生の行動研究です。ラーニングアナリティクスと呼ばれる、学習履歴を使った学習の改善方法を検討しています。
動画(5:25~9:16)
3.生活と福祉コースの大曽根寛教授は、福祉政策論が専門です。
障害者や高齢者の人権擁護や支援、また、劣悪な状況で働いている労働者など、社会的に弱い立場の人たちの生活を守る法律の研究をしています。
始めに、大曽根先生の福祉活動の拠点である名古屋市社会福祉協議会を訪問し、活動についてお話を伺います。次に障害者差別相談センターを紹介します。大曽根先生は、問題の解決策について話し合う連絡調整会議の委員長を務め、会議には、相談員の他、弁護士や障害当事者、民間事業者などさまざまな立場の人が参加します。
動画(9:17~13:00)
4.情報コースの伏見清香教授の専門はデザイン学です。
都市景観に関するアドバイザーや空間デザイン、人間と物の関係性を考える情報デザインなどの研究を行っています。人の生活をより良くするためにどうするかがデザインの軸にあると、先生は話します。
伏見先生は、民間企業のデザイナーの経験を生かし、社会や企業が抱える問題を解決できるデザイナーの育成に努めました。その後、自身の進むべき道としてたどり着いたのが、目に見えない情報に形を与え問題を解決する情報デザインでした。
また、世界の博物館や美術館などが参加する、展示物に関する情報や解説の閲覧や、鑑賞したユーザーが投稿した写真や感想などを共有することができるインターネットサイトを紹介します。
動画(13:01~16:45)
5.自然と環境コースの岸根順一郞教授の専門は、理論物理学、物性物理学、量子力学、統計力学、場の量子論などです。
現代物理学の手法を駆使してミクロの世界を探求し、その仕組みを解明することをライフワークとしています。
岸根先生は、2006年からロシアのチームと共同研究を行っています。初めてロシアを訪れた1994年に東京大学大学院生だった先生は、物理学の天才を数多く輩出したロシアに憧れ、モスクワの物理学研究所のサマースクールに参加したことを語ります。2011年には、新しいタイプの巨大磁気抵抗効果を発見し、世界的に大きな話題となりました。
また、岸根先生の興味である、ヨーロッパの特に15世紀から16世紀辺りの絵画についてお話を伺います。
動画(17:29~21:21)
6.社会と産業コースの北川由紀彦教授の専門は社会学です。
研究テーマは都市の貧困問題で、路上生活者の人たちを取り巻く状況などについて調査をし、また、貧困問題に対する国、自治体の対策や課題などについても研究しています。
バブル経済の崩壊によりホームレスが激増した1990年代に、北川先生は、大学の卒業論文のテーマに路上生活者を選び、それが今につながる原点となったと話します。
次に、上野のアメ横で買い物をした先生は、趣味である料理を紹介し、スパイスを使った本場インドのカレーの調理の様子を紹介します。
動画(21:22~25:08)
7.心理と教育コースの岩永雅也教授の専門は教育社会学、生涯学習です。
2021年4月には放送大学長に就任しました。
教育を、社会との関わりで理解し分析する教育社会学の手法で、生涯学習や遠隔教育、才能教育などを研究しています。初めに、岩永先生が生涯学習活動などのアドバイザーをしている東京都足立区にある地域の学習センターを訪問し活動の様子を紹介します。
また、先生が高校時代に始めた趣味の馬術の腕前を披露します。自分の考えを上手に馬に伝える、馬とのコミュニケーションづくりが馬術の基本だと先生は言います。そして、教育者としての思いを語りました。
動画(25:09~29:05)
公開日 2021-07-16 最終更新日 2024-02-14