【学生の声】学生番号851 で始まる長いお付き合い 彦坂 久美子




1985年5月、放送による授業開始と同時に選科履修生として入学し、神奈川学習センターに所属しました。生涯学習として選んだ道です。当時私は横浜市立の学校で教員をしており、教える立場でいるだけではなく、もっと広く、あるいは深く学びたいという願望があり、今日に至るまで学生であるのが当たり前の毎日です。

1986年からは全科履修生になりました。体育実技の単位取得が大変だったため学士入学したのを覚えています。単位数は充分修得しましたが、生涯学習だからといつまでも卒業研究を書かないのは見苦しいと思い1996年に卒業研究を書きました。1961年の春に卒業し社会人になって以来のことでした。卒業研究は専任の担当教員に助言をいただきながら研究ができ、特別な充実した時間で満足感がありました。その後、親の介護のため、月に2〜3回、金曜日の夕方新幹線で名古屋へ往き、月曜日の朝、横浜に戻って出勤するという時期があり、学生の自分は片隅に追いやられていました。ある時「卒業おめでとうございます」というお知らせをいただいて驚きました。放送大学の制度が変わり、卒業研究を書かなくても所定の単位修得だけで高等学校と同様に卒業出来ることになったことを知らずにいたのです。

山梨に移り住み、山梨学習センターに所属して6つ目のコース履修時には該当科目の単位が満たないように気を付け、一単位足りない状態で卒業研究履修の申請をしました。担当教員の丁寧な助言をいただきながら卒業研究を書き終え、提出することができたときの感動は今でも宝物です。さらには学長表彰と名誉学生の称号をいただいたのは光栄です。選択制になったとはいえ卒業研究を書かずに卒業してしまうのはもったいないことだと思います。

「知るは楽しみなり」はクイズ番組で司会を務めたアナウンサーの鈴木健二氏の言葉ですが同感です。歳には抗えず40年前と同じとは言えませんが、知的好奇心は今も旺盛で、放送大学はそれを満足させてくれる資源に事欠きません。ゆっくりペースで生涯学習を続けたいと思っています。


プロフィール
彦坂 久美子(ひこさか くみこ) 山梨学習センター所属

1939年 東京都板橋区に生まれる
1996年 放送大学 発達と教育専攻卒業
2001年 放送大学 生活と福祉専攻卒業
2015年 放送大学 社会と産業コース卒業
2018年 放送大学 自然と環境コース卒業
2023年 放送大学 人間と文化コース卒業
2019年に放送大学卒業式を祝しNHKホールで放送大学学歌と第九を合唱。
2023年4月から毎年選科履修生として在学

※2025年8月11日発行 文部科学教育通信「私の放送大学」掲載の記事です。


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公開日 2025-10-31  最終更新日 2025-10-31

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