
テレビ番組『相棒』は、2000年に放送開始された日本の人気刑事ドラマで、警視庁特命係の杉下右京と〝相棒〞たちが難事件を解決していく物語である。新しい事件が次々発生しその解決手法、新規性、論理性が面白い。これは放送大学の授業習得に重なっているように思う。
放送大学で学ぶ魅力は、年齢や職業、生活スタイルに関係なく、自分のペースで本格的な大学教育を受けられる点にある。放送大学の講義は新規性、論理性に満ちており幅広い分野の科目が提供されている。新しいことを興味に合わせて自由に履修できる柔軟性も大きな特徴である。正規の学位取得はもちろん、幅広い知識や教養の深化というキャリアアップのための学び直しにも適している。
次に放送大学の授業により私が得た新しい知識の習得、教養の深化について二例を挙げて説明したい。例①:トランプ大統領の異常な高関税政策は彼独自の手法かと私は思っていた。しかし放送大の授業「アメリカ史:世界史の中で考える」によると南北戦争(1861―1865)以後アメリカの対外政策の特徴は高関税政策であった。北部に支持者の多い共和党は工業の発展を目指す立場から高関税を、南部の民主党は農産物輸出拡大と消費者の生活費低減を重視する低関税を主張した。1890年に制定されたマッキンリー関税は関税率を約50%まで引き上げた。民主党政権期の1894年に制定されたウイルソン=ゴーマン関税は10%あまり引き下げた。アメリカの過去の関税については日本のマスコミではほとんど報道されていなかったので新たな知見が得られた。
例②:各国の義務教育期間とその年齢についてである。放送大の「世界の学校」の授業が参考になった。日本は九年間(6〜15歳)、シンガポール五年間(6〜11歳)、フランス一3年間(3〜16歳)、ブラジル一三年間(4〜17歳)その他留年、飛び級など各国独自の取り組みを学んだ。その後OECDのPISA(国際学力調査)でトップを争っているのはシンガポールと日本であったことを知った。両国とも義務教育期間は長くはないにもかかわらず学力レベルは高い。これは何故なのであろう?今後の楽しみとして検討課題にしたい。
このように放送大学は学ぶ楽しさを私に与えてくれています。
プロフィール
青井 秀樹(あおい ひでき) 放送大学 高知学習センター所属
1943年1月生まれ
広島大学理学部物理学科卒業
1969~1972年 フランス政府給付留学生としてパリに滞在
1972年 パリ大学理学部で博士取得
1972年 日立製作所に入社(原子力開発部)
新型転換炉ふげん発電所及び高速増殖炉もんじゅ発電所の安全設計、放射線防護設計担当
1990年 放送大学 人間の探究専攻入学
1993年 人間の探究専攻卒業
1994年 広島国際学院大学情報工学科教授
2006年 放送大学 社会と経済専攻卒業
2008年 産業と技術専攻卒業
2012年 生活と福祉専攻卒業
2017年 心理と教育コース卒業
2019年 自然と環境コース卒業
2004年 放送大学修士課程文化科学専攻学位取得
2025年 放送大学 情報コース卒業
2025年3月 4専攻3コース終了し名誉学生取得
※2026年1月26日発行 文部科学教育通信「私の放送大学」掲載の記事です。
公開日 2026-03-27 最終更新日 2026-03-27










