垣花 広子
放送大学沖縄学習センター 臨床心理学プログラム 大学院修了生
こんにちは。私は2年間のプログラムを終え今年の3月に放送大学大学院を修了しました。入学前に、臨床心理学プログラムについて色々とネットで検索しましたが、情報が少なくてとても不安でした。大学院進学は、シングルマザーとして2人の子どもを育てながらの学業で、まさに人生を変える大冒険でした。私の体験が少しでも誰かの役に立てればと思い、この体験記を書くことにしました。
大学院に進学したきっかけは、臨床心理士の資格取得と心理学の知識を深めたいという思いからでした。入学試験は倍率が高く、情報も少なかったのですが、「やってみなきゃわからない!」という気持ちで、出来る限りの努力をしました。自分の子どもたちにも、夢を追うことの大切さを伝えたいという思いもありました。
大学院では年に数回、全国各地から32名の学生が千葉に集まり、1週間の合宿形式で対面授業に参加します。それ以外にも放送授業を受けることで、高度で専門的な知識を柔軟に学ぶことができました。私の研究テーマはASD(自閉スペクトラム症)で、沖縄国際大学の先生方にもご協力いただき、個別に研究指導を受けました。普段は画面越しの放送授業でしかお会いできなかった先生方から直接のご指導を受けることもでき、同じ志を持つ学生との交流もありました。そのような素晴らしい出会いは私に大きな影響を与えてくれました。
しかし正直に言うと、大学院での学びと家庭・仕事の両立は本当に大変でした。特に臨床心理学プログラムは病院で半年間の実習があり、修士論文を書きながら、仕事・子育て・実習・研究指導の課題・対面授業が重なったときは、あまりの多忙さにストレスを感じることもありました。周りの優秀な生徒たちと自分を比べて落ち込むこともありましたが、学ぶことの面白さと臨床心理士という夢が、困難を乗り越える力となってくれました。
大学院を修了後は新たなキャリアに転身し、現在は精神科の病院で心理職として働きながら、臨床心理士の資格取得を目指しています。今後は患者さんと向き合い、彼らの支えになれる心理士として成長していきたいです。自分の経験を活かし、同じような状況にある人々をサポートする活動を行いたいと考えています。また、子どもたちには時には周りの助けを借りながらも挑戦することの大切さを伝えていきたいです。
若くして妊娠・出産を経験した私は学業を一時中断せざるを得ませんでしたが、放送大学の存在が再び学びの道と自己を見つけるきっかけとなりました。夢は諦めなければ必ず叶うと信じています。この体験記が、同じような状況にいる人々にとって励みや参考になれば幸いです。最後に、支えてくれた皆様、沖縄学習センターの方々に心から感謝します。ありがとうございました。
沖縄学習センター機関誌「キャンパスニライ」第110号(2024年10月発行)より掲載
公開日 2024-11-22 最終更新日 2024-11-22