放送大学と私の関わりは、徳島学習センターが設置された1998年に、科目履修生として入学しスタートしました。
高校に入学した1955年は、高校への進学率は約50%で現在の大学へのそれよりも低く、経済白書は「もはや戦後ではない」と記し、高度経済成長への予兆が見え始めていました。しかし、大学への進学は家庭の事情で諦めざるを得ず、エコノミックアニマルとして働き続けてきました。
従って、放送大学全科履修生としての入学は、かつて果たせなかった「大学を卒業する」というごく単純な発想でした。
ところが、学び始めるとその魅力に取りつかれ、2021年に教養学部の全六コース(2008年「生活と福祉」、2012年「人間と文化」、2014年「社会と産業」、2016年「心理と教育」、2019年「自然と環境」、2021年「情報」)を全て卒業することができました(この間に学校教育法百五条に基づく科目履修認証制度による認証状は13プラン(分野)取得)。
放送大学は、誰にでも開かれた生涯教育・リカレント教育を目的として設立された大学であり、質の高い最先端の授業を受講できるのは放送大学学生の特権と言えるでしょう。
教育は人をつくり、人が国をつくると言われます。資源を持たない日本にとって人材の養成は必須で、グローバル化し行き先が混沌として不透明な国際社会にあって、教育の重要性を再認識する必要があると思われます。
「教養」という言葉の中味も、時代の波を受けて変化してきました。求められるのは単なるリテラシーからコンピテンシー(competency)へと変わってきました。これは多様な要求に対応する全体的な能力のことで、知識だけに止まらず、動機付けや態度、行動特性までを包括する概念です。それを身につけるため、放送大学の扉は広く大きく開かれています。
加齢による心身の劣化に逆らいながら、放送大学の〝生涯学生〞として学び続けたいと願ってます。
プロフィール
生まれも育ちも徳島県(1939年)。
県立城東高校を卒業後1959年から41年間、徳島大学・鳴門教育大学の事務職員として在職。
定年退職後、2000年から三年間、放送大学徳島学習センター事務職員として勤務。
趣味は旅行(青春18きっぷによるものを含む)、野球観戦、読書、放送大学学生として1998年から在籍し現在に至る(将来も継続希望)。
※2022年11月28日 本誌掲載の記事です。
公開日 2023-01-20 最終更新日 2023-01-20