私が放送大学を知ったのは、通信制高校卒業間近、教諭同士の会話に耳が反応したのがきっかけでした。
家庭の事情で諦めていた高校卒業に再挑戦したのは、子供が受験生のときでした。学歴コンプレックスもあり我が子がライバルとなりました。
本当に1年間の充実した高校生活を過ごすことができ、中でも全国体験発表会に参加させていただき賞まで頂戴したことにより、40代でもできる喜びを知りました。
知らないことを学び知る楽しさに初めて気付いた私にとって、放送大学は自分の行くべき場所となり、「心理と教育」を学びました。青少年関係のボランティア活動のアドバイスがいただけると考えました。
幼児の成長から、青少年の葛藤など具体的に、現場のお話も含め参考になりました。10年間でやっと単位修得卒業できました。
が、人生いろいろです。最愛の夫が試験期間中に突然亡くなりました。当時は、本部の学位記授与式に夫とともに参加することだけが心の支えだった私は、納棺を終え受験のためにセンターに行ったのですが、答案を回答したのかさえ記憶になく卒業は半年後になりました。
2年ほど酷い状態でしたが、学習センターの方々、学友の方々に支えていただきました。活動していた和風サークルの友人は本当に心強かったです。
放送大学は性別・年齢・職業など何も関係ありません。学習だけではなく、学友会・同窓会で行事もあり、関りを持つ楽しさもあります。でもそれは本人次第、学習と同じです。
私が17年間女子大生を継続できているのは、単位認定試験の刺激と緊張感をプラス思考にすること、自信が持てなかった私が、ぼちぼちと自分を認めることができているからです。
高校卒業をきっかけに、大学卒業までできたこの達成感は、普通に過ごしていたら出会えなかった人生です。
私が学ぶ楽しさを知ったのは「まわりみち」が、教えてくれたのですね。一度しかない人生に正解なんてありません。私は私を生きて生きて生きていきます。
ぼちぼち歩いても挫折はありますが、心に少し余裕を持てばにんまりしながらやって行けそうです。
プロフィール
立脇 寿江(たちわき としえ)
1956年 鳥取県生まれ
2004年 科目履修生として入学
2005年 全科履修生「心理と教育」専攻
2015年 同 卒業
2015年 全科履修生「生活と福祉」専攻
2022年 全科履修生「人間と文化」専攻
趣味 映画鑑賞・日本文化(和服)
※2022年5月9日本誌掲載の記事です。
鳥取学習センター https://www.sc.ouj.ac.jp/center/tottori/
公開日 2022-07-15 最終更新日 2022-12-06