【学習センター機関誌から】言語習得理論と英語の学び方②

沖縄学習センター客員教員 大城 賢
(専門分野:英語教育学)

 

 

 

 

第二言語習得に影響を与えるものとして,これまでの研究から,以下のようなことが考えられています。それは,(1)年齢,(2)動機づけ,(3)適性,(4)知能,(5)学習(指導)法,(6)社会環境,(7)言語間の距離などです。


例えば,幼いうちから英語が話されている環境で育てられると,その子どもはネイティブと見分けがつかないぐらい高いレベルの英語力を身に付けることでしょう。ネイティブと変わらないぐらいのレベルの英語力を身に付けるとなると,それは(1) の年齢が大きな影響を与えるかもしれません。

しかし,必ずしも,ネイティブレベルの英語力が目標ではないとしたら,(1)の年齢はあまり重要ではないかもしれません。むしろ(2)の動機づけが重要となるかもしれません。また,もしかすると,英語が使えると高い地位につくことができるとか,ビジネスでは英語が欠かせないなどの社会環境が第二言語の習得には重要になってくるかもしれません。あるいは,フランス語話者が,フランス語と言語的には似ている英語を学ぶ場合と,日本語話者が日本語とは全くことなる英語を学ぶ場合とでも,第二言語の習得には影響が出てくるでしょう。そのほか,言語的な適性や知能も第二言語に影響を与えるものと考えられています。

このように第二言語習得に影響を与えるものは複数あり,何が決定的に重要かということになると,明確な結論を出すことは難しいものです。


第二言語習得研究から明らかになっていることの1つは,大人と子どもでは,言語習得の過程において,似ているところもありますが,違いもあるということです。

ですから,年齢に合った指導法を考えることが大切ということになります。て簡単に説明することは困難です。しかしながら、ある程度、一般的に言えることもあります。


例えば,小学校の児童は,大人にはない,認知的・心理的な柔軟性があると言われています。大人なら明確にわかっていないと行動を起こせないところでも,子どもなら,難なく行動を起こしたり,挑戦したりすることがあります。小学校の低学年の教室などでは,あまりよく分かっていないことでも子どもは手をあげて挑戦しようとします。別の言葉で言えば,大人と比べると子どもは心理的なプレッシャーがあまりありません。

言語の習得には「曖昧さに耐える力」や「大量のアウトプット」が必要です。その点からいうと「聞く話す」においては小学校の児童は外国語の学習には有利なのかもしれません。

次回は年齢と言語習得の関係について,これまでの研究成果を踏まえて考えてみたいと思います。


 

(沖縄学習センター機関誌「キャンパスニライ99号」より)

 

機関誌『キャンパスニライ』バックナンバーはこちらから→https://www.sc.ouj.ac.jp/center/okinawa/about/magazine.html

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