オンライン教育の可能性

新型コロナウイルスの影響により、学びの場では、「オンライン教育」が注目を集めています。

その先駆的存在である放送大学。オンラインの活用により大学の教育はどう変わっていくのか、來生学長からのメッセージです。

身につけるために、学び続ける

人生のいろいろな局面において、人はさまざまな問題に直面します。折しも今、放送大学においても予期せざるコロナウイルスの蔓延という事態によって、大学全体として4月からの面接授業や新入生の集い、学習センターでの活動が大幅に制限されました。

しかし、このような状況であっても、日本で唯一、「放送授業」「オンライン授業」「面接授業」という3つの教育手段を組み合わせて遠隔高等教育を行っている放送大学は、放送とインターネットを通じて学習を継続することができました。

なかでも、オンライン授業は、インターネット環境があれば、場所や時間に縛られず、自宅でも、どこでも、自分のペースで学ぶことができます。

放送大学では、2015年よりオンライン授業を導入してきましたが“Stay home”が推奨され、全国の学校が長期休校となった今回、緊急時でも“授業を継続できる”有効な教育手段だと、広く認識されたのではないでしょうか。

オンライン授業のメリットは多々あります。放送授業は、1つの学期に放送できる番組数が限られますが、オンライン授業は無制限なので、時代のニーズに即した新しい科目を弾力的に増やせます。

また、双方向のやり取りができるので、課題などの総合評価が可能になり、原則として単位認定試験も不要。いろいろな制約から自由になれる授業形式といえます。

では、そもそも人はなぜ「学び」続けるのでしょう。
例えば、今回のコロナ禍のような事態に遭遇したとき、どのように対処するか。すべての人が、ある意味、とまどい、自らの行動をうまく制御できなくなるような可能性があります。

しかし、どんな時にでも学習をする、学び続けていくことで、人が想定もしない環境の変化の中でさまざまな情報を効率的に集め、取捨選択し、自らの適切な行動をどのように選択していくかを考える能力、実際に行う能力を身につけることができるのです。

それこそが学習の目的だと私は考えます。


Stay homeに呼応して本学では“STUDY
@HOME”と題し本誌やWebマガジンを
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YouTubeチャンネル『キャンパスガイド』で語る來生学長

人生100年時代の 人材育成に貢献

では、人生100年時代といわれる今、人生の問題解決能力を高めるためには、何を学んだらいいのでしょうか。

放送大学が提供すべき「教養教育」は、何でしょうか。これが、私たちがここ数年継続的に取り組んできた最大の課題でした。

その背景には、私たちを取り巻く社会環境の大変化がありました。

ありとあらゆる分野での情報生産の量とスピードが、過去の人間社会では想像もつかないほど増大している情報化時代にあって、一人一人の個人が獲得した既存の知識は、非常に速いスピードで陳腐化しています。

また、職業人として求められるスキルの変化も急激で、常にスキルのアップデートが必要になってきました。

人が社会的に有用な存在であり続けるためには、どんな職業であるか、どんな生き方であるかにかかわらず、「人は常に学び続けなければならず」、しかも「それを生涯継続すること」が強く求められる時代がすでに来つつあるのです。

そこで、このような環境変化の中、私たちは、人生のそれぞれの段階で人それぞれが直面する問題をより良く解決する能力を高めるもの──、それが「教養」だと考えました。

古典的な意味での教養だけではなく、新しい時代に適応して生きていくために必要な職業的な知識も大事な要素としました。

そうした実践的能力を高める教養も含めた、「新しい意味での教養教育」を、社会のニーズに合わせて提供していく、それが21世紀における放送大学の使命だと考えたのです。

学び続ける意欲を持つすべての人の学習を、多彩なコンテンツをもって、支援していくことができるのではと期待し、人生100年時代の多様な人材の育成に貢献していければと願っています。

ぜひ、世代を超えて、多くの方が放送大学での学びを体験し、楽しみながら、「21世紀の新しい教養」を身につけていただければと思います。


『新型コロナウイルス流行の中で』というシリーズで
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公開日 2020-07-30  最終更新日 2021-02-26

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